紅薔薇夫人(2006年アートボート・日活・新東宝) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

映画バカ一代~観らずに死ねるか~

映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

SM小説の大家団鬼六の原作を

映画化した作品。

杉本彩主演で『花と蛇』が映画化され

再び団鬼六ブームが起きていた頃の作品。

 

 

 

 

あらすじ

太平洋戦争末期、従軍記者の相田(大沢樹生)は戦地で

負傷した青木(津田寛治)からスケッチブックを渡される

そこには青木が運転手として仕えた貴族の妻美希(坂上香織)

への想いが描かれていた。青木の依頼で日本に帰った相田は

美希にスケッチブックを渡すが,相田も美希の美しさに

魅了される。

 

 

 

 

 

重要な点

日活ロマンポルノで幾度も映画化されている団鬼六作品だが

今作は藤原新一監督の美意識が反映された独自の映像美に貫かれている。

一言でいえばエロくない、芸術性の高い美しいSMというべきもの。

 

良かった点

主演の坂上香織は華族夫人の気品や儚さを良く表現している。

大沢樹生は中々の好演。津田寛治は安定の上手さ。

 

悪かった点

前述したが監督の想いの中で芸術的に昇華されたSMであるため

団鬼六の下世話なまでのエロさが失われている。

これは観る者で評価が分かれるであろう。