彼のオートバイ、彼女の島(1986年角川春樹事務所) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

片岡義男原作のオートバイと恋愛の小説を原作の映画。

片岡義男は当時大ベストセラー作家で凄く売れていたことを思い出した。

現在はほとんど絶版らしいが、BOOKOFで105円で買える。

角川書店は映画化して原作が売れるというメディアミックスを切り開いた。

もちろんこの映画でも歌が絡んでくる。(キャバレーと同時上映された。)

 

 

 

 

あらすじ

初美(渡辺典子)という女性と別れを決めて信州をオートバイで訪れる音大生の巧(竹内力)

そこでミーヨ(原田喜和子)という不思議な女性に出会う。旅から帰るとバイト先の先輩で

初美の兄秀政(三浦友和)との決闘が待っていた。偶然に決闘に買った巧はミーヨと

文通するうちに心を通わすようになる。ミーヨの実家である瀬戸内の島を訪れた

巧はミーヨや父親の康一郎(田村高広)に歓迎される。島でバイクの乗り方をミーヨに教える

巧。ミーヨのバイクの腕前はドンドン上達していく。やがて750の免許を取ったミーヨは

巧のカワサキ650を持ち出して消えてしまう。初美への手紙でミーヨが島で待っていることを知った

巧は親友の小川(高柳良一)のバイクを借りて島へ向かう。

 

重要な点

大林宣彦監督独特のメルヘンチックな映像に最初は戸惑いがあったが、

ドンドン映像に引き込まれていった。

バイク愛120%の映画だがバイクに乗らない人間でもバイクが好きになれる映画だ。

ハードボイルドとはまったく対極にある映画だが、最後のツーリングシーンは

ハラハラさせた。(あそこは大林監督の魔術というべきか)

 

良かった点

主演の爽やかバイク好き青年はなんと竹内力。まさか数年後に『ミナミの帝王』になるとは?

爽やか過ぎて吉田栄作と待ち違ってしまいそうになった。

この映画には基本的にあまり悪い人は出てこない。観終わった後も爽やかな印象を受けた。

小川を演じた高柳良一『ねらわれた学園』の剣道少年が音大生になっていてびっくり。

 

悪かった点

ヒロインの原田貴和子。いまとなっては反省だが、

当時はあまり関心なかったが、改めて観るととても魅力的。

ジェニファーコネリーに似ているし。演技も自然で良かった。

大林監督はでも主演女優をさりげなく脱がせるのが上手い。

この映画でも自然な混浴シーンが美しかった。