地井武男さん。『ちい散歩』で人気の俳優さんだが、若い頃は
ギラギラしてました。太陽にほえろにヤマさんの後任の捜査主任
の『スッポンのトシさん』こと井川刑事くらいからはいい役しかやっていないしね。
しかしこの作品はロマンポルノにしては攻めた作品です。
あらすじ
警察官の原田（地井武男）達はベトナム難民への寄付金を強奪する。
彼らは警察でありながら悪事に手を染めていた。そんな時
原田の先輩の元警官で記憶喪失の中村（井上博一）が精神病院を脱走したとの報告を受ける
上司から原田は同僚の加藤（高橋明）と共に中村を見つけて
記憶が戻っているようであれば始末せよと命じられる。
中村は汽車でしりあった高校生のまり子（山科ゆり）と旅を続け
やがてアングラ劇団に潜入するが。
重要な点
奇才長谷川和彦の脚本で警察が強盗をやるという今では笑えない展開。
当時は衝撃的だったと思うし、映像ソフト化も遅れた理由らしい。
太陽を盗んだ男で物理教師が原爆を作るという発想をするだけの
ことはある。さすがにぶっ飛んでいる。それをロマンポルノで作るのだから
日活は度量が大きい。澤田幸弘監督もハードボイルドな演出で
地井武男の魅力を最大限に引き出している。
良かった点
山科ゆりは攫われているのだが、どんどん相手をリードしていく
奔放な女子高生を熱演。しかも処女を捧げてしまう可憐なところが
キュンとさせられた。
その反面、中村の妻役の川村真樹は最後は西村寿行か
ヒッチハイクかという刺激的なレイプされる。
悪かった点
せっかく警察が強盗という素晴らしいアイディアだったのに
後半はそこはあまり関係ない展開なのがもったいない。
強盗された組織が殺し屋を雇うとかがあればもっと良かったかも。
中途半端な青春映画色が要らなかったかも。
ハードボイルドで貫いて欲しかった。