告白的女優論(1971年現代映画社) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

吉田喜重監督。松田優作主演で『嵐が丘』を撮った監督。

当時のインタビューで優作の吉田監督への想いを語ったものを読んで、

『そんなに凄い監督なんだ。』と心の片隅に引っかかっていた。

マイブームの浅丘ルリ子が出ているので観てみたが凄い作品だった。

脚本演出撮影全てにおいてレベルが高い。

ただ演劇的手法もみられるため、一般的な娯楽性は薄い。

わかりやすく言えば東映の作風とは対極である。

悪く言えば映画通のインテリ向けの作品かもしれない。

 

 

 

 

あらすじ

映画のクランクイン前の二日間の間に三人の女優に起きる出来事を描いた作品。

浅丘ルリ子、岡田茉莉子、有馬稲子が出演しているのだが、

それぞれの女優はそれぞれの内面に色々なものを抱えていて、

それがさらけ出されていく様をドキュメンタリータッチで進行する。

あらすじは詳しく書くと観る時に帰って邪魔かもしれない。

 

重要な点

吉田喜重監督作品は初めて観たが中身が濃い上に

やや難解なため、集中して観る必要がある。

心と時間にゆとりがある連休などに鑑賞をオススメする。

カメラワークや構図が素人の僕が観ても斬新で凄い。

また女優の衣装も素晴らしかった。

 

良かった点

三人の主演女優のエピソードが複雑に絡み合っていく。

次第に内面が掘り下げられていく?(実は虚構?)

一度見ただけではよくわからなかったが練り込んだストーリー(脚本)

も流石であった。

 

悪かった点

脇役に至るまで名優が揃っていて隙がない鉄壁な布陣。

浅丘ルリ子は背中だが全裸シーンもある。

残念なのは難解で何回も観ないとわかりづらい。

観る人を選ぶ映画である。クオリティは高い。