俺たちに墓はない(1979年東映セントラル) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

『俺たちに墓はない』は遊戯シリーズの1作目『最も危険な遊戯』

2作目の『殺人遊戯』の後に作られたハードアクション。

松田優作がギラギラしている時代の傑作です。

松田優作、志賀勝、岩城滉一の三人が

メインキャストなのですが、

三人の意向がバラバラで最後には殺し合いになってしまう。

荒唐無稽といえばそれまでですが

今観ると物凄く荒々しいストーリーです。

タランティーノ監督の『レザボアドッグ』に影響を与えてそうなストーリー。

ジェットコースターのような展開は興味深い。

 

 

 

あらすじ

元暴走族で少年院上がりの島(松田優作)は弟分のヒコ(岩城滉一)

とやくざ組織の事務所へ強盗に入ろうとしたが、

その瞬間先に強盗に入った滝田(志賀勝)に先を越されてしまう。

ヒコは組織に捕まり、島は滝田を追うが追跡中に強奪した金を失う。

お互いの腕を認めあった島と滝田は手を組むことにして、

まず手始めに組織に捕まったヒコを救出する。

豚小屋にぶち込まれていたヒコは助け出すと滝田への恨みを口にする。

滝田と島は二人だけでヤマを踏み、

組織の賭博ツアーの現金6千万円の強奪に成功する。

検問突破のため2人は分かれるが、金の山分けの段になりヒコは

島を殴りつけ、一人で滝田を襲う。

ヒコの襲撃は失敗し、激怒した滝田は発砲騒ぎを起こし、

島の裏切りと思い込むが警察に捕まり、入院する。

騒ぎのどさくさにまぎれてヒコがナンパしたシャブ中毒の女ミチ(竹田かほり)が

お金を持ち逃げする。六千万のゆくえはいかに。

 

重要な点

①山谷初男:新宿のポルノショップのオーナーでポルノグッズだけでなく

銃やダイナマイトの販売(宅配も)を行う。

②滝田をかくまうバー『キング』のママ役で岡本麗が好演

③病院で滝田を取り調べる刑事役(まいどおなじみ感あり)で山西道弘が出演。

 

良かった点

松田優作と志賀勝の友情が岩城滉一の勘繰りや逆恨みで

殺意に変わっていくのが興味深い。

シェイクスピアのオセロのようだ。

三人の男を手玉にとる女ミチ役の竹田かほりが

なんとも小悪魔的で魅力的な女性を演じている。

日テレの探偵物語でかほり役も可愛かった。

 

悪かった点

主人公はデパートで窃盗、強盗未遂、バスジャック強盗

殺人傷害、そしてダイナマイトで大量殺人を犯していくが

なんとなく憎めないキャラなのは松田優作が演じているからか?

最後はすこし微笑ましいラスト。