皆様、一日お疲れ様でした。
今日は仕事が予定通り20時に終わったので、幾分か余力が残ているので、
もりもり書き殴っちゃいたい気分ですな。
祝、脱リハビリ三日坊主ということも兼ねて。
タイトルにある通り、今日は裁判を傍聴した時の感想でも書きましょうか。
議事録でも新聞記事でもないの(あくまで感想)で、極力誠実に書くつもりではいますが、
中立性や真実味といった点は担保いたしませんのであしからず。
また、このテーマは友人の東町健太さんの専門分野であり、彼はセミプロでもある(たぶん一円ももらっていないけども)。だので、もともと興味があったり、これから書く感想を見て興味が湧いたよ!って人がいたら、東町健太さんに執筆依頼をしようかと思う。
じゃあ、ぼちぼち始めようかしら。
事前情報として書いておくと、裁判傍聴は誰でも参加可能、無料、平日のみ、一回一時間程度(?)、人気がある裁判とかだと傍聴券の抽選に並ばなきゃならん。
あとの詳しいことが知りたい人はググってください。
僕自身の傍聴歴は非常に浅く、実際に見たのは今回で二回目、木嶋佳苗の初公判の時に傍聴券取りに埼玉地裁に並びに行って外れたくらいかな。
平日開催だから、なかなか見に行けないんだよね。
で、直近に傍聴した裁判の話を書いていきます。
【本編】
ゴールデンウィークに東町さんに誘われて大阪に旅行に行った。
東町さんに甘えて、旅券や宿の手配など、旅の準備は全てお任せしていた。
休みが来るのを待つだけのお気楽な身分である。
それでも、社会人になってから、お休みにまとまった日程の旅行に出かけるなんて、
初めてのことだ。トホホなお社畜には時間もお金もなかったのである。
だから、二人とも楽しみにしていて、
ゴールデンウィークの前にはちょくちょく会って飲んでは、
あれやこれやと旅の計画を練ったりしていた。
が、二人とも旅行はど素人であり、そもそも予定をかっちり決めたりするのが苦手な性質でもあり、肝心の段取りは直前になっても一向に定まらないままであった。
「何とかなるっしょ」
といった感じである。
一週間ほど前になってさすがに焦りだして、あわてて旅券を探すも時すでに遅し。
どこも満席状態である。その上ケチなので旅費にお金はかけたくない。
「深夜バスがだめなら、青春18きっぷでいこう」
「いや、今調べてますけど、これ、使える期間が決まってるみたいですよ。
ちなみにゴールデンウィークは期間外ですね」
「・・・、ファックだな」
結果、大阪への直行便は見つからず、京都行きの深夜バスに乗ることになった。
京都一日、大阪三日の日程である。
どこへ行くやもしれぬミステリーツアーは幕を開けた。
0日目。深夜バス。相変わらずの苦痛である。腰、尻を中心に前進まんべんなく激痛が襲い、すし詰めの社内は蒸し上がり、青息吐息で早朝の京都に到着。
まずは、痛めた足腰を癒すために足腰の神を祭った無名の神社を参拝。
その後、乏しい旅費の足しになればと、金銭の神様が祭られ、鳥居が金ピカに塗られた、
無名の神社に参拝。
この時点で、この旅の方向性はなんとなくつかめたように思う。
要するに、ゴールデンウィークに、まったく人ごみのできない場所を狙って観光するのである。
無名の神社の後に寄ったのが京都地裁。これまでで一番立派で格式のある建物である。
いざ、傍聴!
建物の前で記念撮影をしようとしたらガードマンに怒られた。
しょぼくれながら館内に入り、受付においてある「本日の裁判リスト」的なファイルを眺める。
時間があっていた「窃盗」をチョイス。
エレベーターで上がって、
いざ法廷!
傍聴人四人(我々二人含)。
一貫して空いている。
時間になり、裁判官、弁護士、検察官が入廷。
そしてガードマン的な人二人に連れられて、手錠をされた被告人が入ってくる。
いざ裁判!
いや、なかなかにやるせない話だった・・・。
被告人は50歳くらいの女性で、薬局で化粧水を盗んで逮捕。5000円くらいだったかな。
数年前に窃盗の前科があり再犯。
容疑は全面的に認めている。
被告人には軽い知的障害があり、数年前までは寺の住職であった父と、寺の境内の寮的なところで二人で暮らしていた。
父が他界し、一人暮らしに。父の遺産80万円で食いつないでいたが、貯金が底をつき、犯行に及んだとのこと。
父が亡くなってから、職を得ようと飲食店等、バイトの面接をたくさん受けるが、全て落ちてしまい、生活は苦しくなる一方だったとのこと。
で、盗んだのが洋服と化粧水とゼリー5袋だっけか。
会話のやり取りを見る限りだと、あんまり理解していない様子なんだな。
罪の意識とか、そういった概念についても。
逮捕されて怒られているから、謝っているって感じ。
とてもおどおどと怯えている感じ、
それはよく伝わってくる。
検察官も「あ、理解していないな」と分かっている感じで、
あまり追及はしないんだけど、
それでも役柄上、追及をする。
検「なんで窃盗をしてしまったの?」
被「・・・。お金がなくなったからです」
検「お金に困った。生活保護とかは受けようとはしなかったの?
あなた、前回の裁判の時に生活保護を受けますっていってましたよね?」
被「・・・。言いました。」
検「生活保護の申請はしましたか?」
「・・・。してません。」
検「え、なんでしてないんですか?」
被「あっ・・・。生活保護になると、働けなくなるからです。」
検「そんなことありませんよ。働けるって知らなかったんですか?」
被「知りませんでした」
検「・・・。じゃあ、質問を変えます。あなた、前回の裁判で、反省します。もう二度としませんって言いましたよね?」
被「・・・。言いました。」
検「・・・。あなた、執行猶予って言葉の意味が分かりますか?」
被「・・・・・。分かりません。」
検「・・・・・・・・・・・・・・・。」
上記の調子で、議論も追及も一向に深まらない。
ずっと平行線な感じを見ているのが辛かった。
あと、つかまった時の取り調べで高卒(実際は中卒)と言ったり、既婚(結婚したことはない)と言ったり。検察官に嘘をついた理由を聞かれても、説明はできない。
冷静に、法というルールに乗っ取って手続きを進めるなら、反省の意思なし、罪は加算、ってことになるんだろうけど。その純然とルールを適用することに意味はあるのか、とよぎる疑念を否定しきれない。
自分が法に照らして違反することをしたから罰せられる、と理解できる人に適用するから、
反省の可能性が生まれうるし、共同体がコストをかけて裁判を執り行う意義があるのだと思う。
じゃあ裁判なんてしなくていいよ、ということではないのだけども、
罪を犯した、の「罪」が理解できないことには、反省も更生も生じえないんじゃないでしょうか?
と、裁判を傍聴していて、自分の中の基準がぐらぐらと「揺らぐ」感じがして、
その揺らいじゃうことがとても怖かった。
この社会の中の蟻んこの一匹として、僕は僕で、
自分の飯を食う金を稼ぐために働く。
その労働が微力ながらも社会に価値として認められるからこそ、
それは対価として成立する。
せっせこせっせこ働く。
またお金を稼ぐ。少し余ったら、美味しいお酒を飲んだり、
かわいい女の子とデートして心がうきうきしたり、
両親に感謝の贈り物をしたりする。
シンプルに成立していて、なかなかに悪いもんでもないな、
と思っている。
そんなこんなが、全部「揺らいで」しまう、
洋服と化粧水とゼリーを盗んで罪に問われているあの人を見ていると。
怖くて仕方のない。
かといって、彼女の代わりに捕まるわけでもなし、
一念発起して断食するわけでもなし、
「世直し」と息んでデモに参加する気も毛頭なし。
あいも変わらず働きますよ、今日も明日も。
彼女の罪に問われるのを見て感じた、不合理めいたもの、
それを加速させる事に加担することになろうとも、
僕は働きますよ。
今日も明日も。
ちなみに、一つの裁判は何回かに分かれているので、
僕もこの裁判の結末を知ることはできていない。
でも、僕が見た回の方向性としては、
彼女は罪を償った後で、
障碍者の自立を支援する(仕事を斡旋する?)NPOを
弁護士さんに紹介してもらう予定とのこと。
おしまい。
久々にライティングトリップ。
どっと疲れちった。
でも、楽しいな。
ではまた。
オパーリン。
