ふるさとの霊鎮まれとゆくねぶた
明日明後日と留守にします。秋草を見てきます。帰りましたらまた、よろしくお願いします。
仮の世の太き筆跡下り鮎
待つことも力あればや山の芋
グーグルで探るふるさと秋の暮
野も空も思ふがままや秋の蝶
星空へ呼ばれて立ちぬ窓辺へと
霧を知る森を歩める吾が一歩
里の山静かに秋を蓄へて
秋時雨峠の地蔵まだ濡れず
地のものをふつくら浮かせをる茸
杉山は雲に鉾挿し秋の雨
秋の蝶女神も羽化をするといふ
恋人のための小指や秋海棠
浜茄子の実絞れば海の溢れ出す
靡かざる意思はあれども風船葛
霊峰の裾野の畑唐辛子
言葉尻また妻に色変へぬ松
富士の峰雲に浮かべて花畑
急くことはなにもなけれど秋の蝉
霧といふ厚さ深さや港町
吾が腕を取りし妻の手十六夜
星月夜窓辺に置きし山の小屋
十方に秋の山見え里が見え
口中で発酵をせる葡萄かな
幾度なく躓く言葉秋入日
虫時雨和紙の行灯足元に
満潮のごとく子供ら花畑
満月にひかる玉石大社かな
秋風や親子の爪は似てをりぬ
意図せずに出るが涙や原爆忌