ヒュテみさやまから車山肩・車山湿原を経て車山高原下 | 俳句とお星様と山歩き

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俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

 

ヒュテみさやまの夜は外に出て滅多に見れない全天の星座を眺める。分かるのは柄杓星ぐらいで情けないが、夜空のどこも星だらけである。 圧倒的な星空を眺めていると、 特に飛行機の運行がよく見える。そして東の空の方に雲が覆って、時たまピカピカリと光り出して、かすかに音も聞こえる。 さぞや東京の方は夜に及ぶ夕立が訪れていることであろうと、 友と話しながら部屋へ帰って布団を敷いて、 私は宿の食堂と兼ねている談話室へと行って、今日の山行記のことをしたため、流れくる邪魔にならない音楽の調べと部屋の落ち着いたムードが、この宿に泊まって良かったと思わせるものがある。十時まで食堂というか談話室で楽しんで、 さて、 寝息を立てている友がいる部屋を消灯すれば、玻璃の窓辺にも星が住んでいる。 動かない光源の大きい星であるから北斗星であろう。 目が覚める都度にご対面で、深夜は満月同然の月を眺められて、 これもまた素晴らしい。宇宙の運行を感じる一夜であったことには間違いがない。御射山の近くには旧御射山神社という石の祠があり、手厚く 祀られて居。 しかもここは 縄文の頃の狩りの場で、神へと供物を捧げたところでもあるらしく、ますます霊性を感じるところであり、 そういう魅力もある場所なのである。 この地下は 焼畑の跡が何層にも残され、それが縄文まで遡るようで、その歴史も果てもないようなのである。さらに黒曜石はここから近くの和田峠にて採れたようなので、ますます、縄文を体感させるところではないかと思っている。 さて、美味しい朝食は客の気ままに外でゆっくり取られる方もいる。 そういう自由さが、 とても嬉しい。六時朝食にしていただき、七時には出発である。今日は車山肩まで行きそこから車山湿原、そして車山高原下までの予定であり、全く無理のない予定である。 さて、さわやかな渓流を橋で渡って、旧御射山神社の横を通って、林道へと飛び出る。ハクサンフウロ・エゾナデシコ・ヨツバヒヨドリを見ながら行く、 夏鶯が梢に姿を現す。 林道は小石を敷き詰めたような道で歩き良くはないが普通だろう。 朝露が日に輝いている。熊笹の上の露が光となっている。 それらが一斉に輝き出すのも朝なればこそのことだろう。 ひと時、 右手に渓流と林を置いて、沢渡へと到着する。 ここに 二軒のヒュテがあるが、 ここもまた良さそうな宿である。 橋を渡ってすぐに階段状の登りとなり、後は 土と石ころ混じりの登りとなる。花は多くはないが散見する。すぐに左手にヒュテの赤い屋根が見え、その屋根の風情だけでも味わいがある。さあ、ゆっくりと登っていこう。ヨツバヒヨドリの群落が特に目につく、 それに寄ってくる 蝶が優雅に飛んでいる。ネバリノギランも姿を現して、 ふと振り返れば八島ヶ原湿原はもちろんのこと美ヶ原ももちろんのこと、槍穂高までくっきりと見える。その左手は御嶽山と中央アルプスの山々である。 それにしても槍は象徴的に見えて素晴らしい。 振り返り振り返り歩いて行こう。 車山肩へと着けば、 保護された地域ではあるけれど、ニッコウキスゲが満開で美しいこと極まりない。 それが霧ヶ峰一体を覆っている。 それに、 昨日は雲があり見えなかった 南アルプスの全貌が見えている。甲斐駒・千丈岳・ 鳳凰三山・北岳が見事に望む。しばし 霧ヶ峰を散策しよう。 一面の花畑、イブキトラノオが揺れて、 ニッコウキスゲの合間にコバギボシが群生して、 ちらほらとコウリンカ、シシウドが高原の高原の風に揺れている。足元には弟切草、さらに歩いて行けば、 八ヶ岳と南アルプスの合間に影のようにくっきりと富士山の影絵が見える。 この構図がやはり 実に素晴らしい。ニッコウキスゲの果てまで行けば、北アルプスの山々が一望である。 そこからは引き返して、車山肩の方まで戻る。 コロボックスヒュテの食堂に人が列をなして待っている。朝食の提供を待っているのであろうか、九時からの提供 なのであろう。宿泊のお客さん以外のお客さんと思われる。 人気があるのであろう。コロボックスヒュテから車山へ登り口のところもニッコウキスゲの色彩が全山を染めている感じである。さあ、 車山湿原へと下って行こう。 玉石混じりの道が歩きにくいことこの上もない。 そのうち木道となり、 車山湿原を楽しみながら行こうではないか。 木造が果てると蝶々深山へのコースと合流して、 昨日、南の耳へと入った登山口へと至る。そこで少し休憩をして、後は車山高原下へと下山するのみである。 これは 林道状のところを行く。 今日初めてであろうこうコオニユリの花を見る。さらにコウゾリナの花も見て、さらにシラネセンキュウが一輪、 リフトの中間点を過ぎれば、浅間山に続く山稜がよく見えて、噴煙を挙げては止める姿を見ることが出来る。さて半円を巡るように稜線を降りて行けば、 車山高原下に十時二十分着で、今日は三時間二十分の山歩きでした。バスは十一時五十分発で、茅野駅から鈍行で帰る。自宅は十七時頃であったでしょうか。

ありがとう、 車山高原。

ありがとう、ヒュテみさやま。