山々に降りる天使や春の雪
昭和記念公園のクロッカス咲き出しました。
奥多摩を覆へる雲や春の雪
大空をカンバスとせる春の雲
春寒し岸へ打ち寄す湖の波
気怠さは愁ひのひとつ春の鴨
ポッカリと雲を浮かべて春の鴨
屋根のあるペダルボートや春の鴨
飛行機の音の過ぎゆく春の鴨
草原を走りゆく雲クロッカス
走るてふ空翔ぶことやクロッカス
クロッカス小人の国にゐるやうな
土といふ命の泉クロッカス
クロッカス烏の声を空に置き
クロッカス日差し止めるところかな
クロッカス苑に金塊あるごとく
一日で増ゆる水嵩残る鴨
草青む小夜の水滴光らせて
草青む彫像踏み出す一歩かな
花馬酔木影黒々と引き摺れる
湖の日の集まりてくる岸辺かな
苑をゆく一歩一歩に寄れる春
様々な春の色ともハーブ園
木蓮の芽阿修羅のやうな枝なりぬ
白雲に乗りをるなにか木蓮の芽
月影てふ梅のひかりのすがしさよ
白梅の散る一片に汚れなし
白梅の散りて汚れの見当たらず
満作の空一斉に這ひにけり
満作や黄色短き信号機
満作の地を這ふやうに空を這ひ
母さんのシャボン玉追ふ子供かな