冬桜ひたすら揺らす二羽の鳥
今日は、午後から雲が増えました。
白雲も青空も好き冬桜
白き腹見せて突付ける冬の鳥
曇天がひとつにしたる冬の山
冬鳥を蹴散らしてゆく二トントラック
冬萌のこころ変はりのやうなもの
冬萌の喜びの歌奏でをり
叢の動きとなれる冬の鳥
冬萌や雨垂れの音しきりなり
臘梅の香を閉じ込めてゐる曇天
臘梅の香を運びくる風の波
臘梅の曇天の日に色増せり
臘梅のひたすらに香を地に垂らす
臘梅の曇天の日の濁りかな
臘梅の蕾宇宙の創世記
臘梅の地球ひとつを閉じ込めて
木蓮の蕾のどれも個性的
木蓮の蕾こんなに自由とは
木蓮の蕾青空くすぐりぬ
木蓮の蕾のすべて和してをり
臘梅や素心といふは胸の內
臘梅の素心淡さのありにけり
臘梅の枝駆け上り天へまで
自由なる向きへと伸びて辛夷の芽
辛夷の芽毛皮の天使なりしかと
曇天へ食ひ込みてゐる辛夷の芽
地に落ちてなほ白増せる寒椿
雲低く垂れ込めてをり寒椿
侘助や待合室に床の間が
侘助や鋭く鳥の鳴く日なり