渓流の音へ吸はれてゆく木の葉
明日が句会、月火と遊びに行くので、自業自得ですが、おしりに火が付いた感じです。明日から三日間ほどお休みです。
全天のひかりを奪ふ谷紅葉
杣の空持ち上ぐ力木の葉風
極月や海山結びをる大河
極月の胸に集金鞄かな
極月や薄き灯りの印鑑屋
極月の夕日を入れてゐる山巓
畑も野もひとつ初霜なりにけり
青空の他は初霜あるばかり
初霜を手を繋ぎゆく親子かな
冬薔薇ビルをそびらとしたる森
冬薔薇出窓に置ける招き猫
海山のスープとろりと寒波きぬ
寒波きぬ傷だらけなる力石
仲直りして半分に剥く蜜柑
青空をカンバスとして冬紅葉
日向ぼこ絶えぬ調べの作り滝
小雪や稜線降りてくる日差し
熊を今見なかつたかと山の道
サコッシュに熊撃退のスプレー缶
熊鈴や山々結びをりし尾根
熊鈴を高鳴らせたる山毛欅の森
千両や風呂敷持ちて木戸抜けて
曇天の日の千両の明るさよ
誰にでも庭は開かれ実千両
冬桜老いの華やぎありにけり
ものの絮なるかと見れば冬桜
庭石に動と静あり村時雨
黒瓦なりし竹屋や朝時雨
木の葉時雨きらめき止まぬ吹き溜まり