冬帝の日を浴びてゆく杣の道
今日は、御岳山の紅葉の進行状況を見てきました。まだ、当分楽しめますね
冬晴に多摩の山稜峙てる
山襞の彫を深むる冬の山
山門の幣白々と紅葉山
車道にも朱の橋ありぬ紅葉山
杉鉾のみな冬帝に向きをりぬ
草紅葉ケーブルカーと昇りゆく
ケーブルカー止まりて銀杏紅葉かな
冬菜畑青く関東平野かな
立冬のひかり導く山の道
山屋より煙昇りぬ冬紅葉
紅葉山抜け道知れる御師のゆく
山門を潜れば紅葉紅葉かな
眩しからん紅葉を透かす日のひかり
青空の風となりゆく紅葉かな
草紅葉幣の新たな石祠
相模灘ひからせてゐる冬霞
石碑また苔をなすもの冬紅葉
御神体際立ちてをり紅葉山
小社の屋根が積み継ぐ落葉かな
本殿の冬日を反らす屋根瓦
落葉すぐ掃き清めたる宮司かな
スカートのまるで妖精紅葉山
冬の日の移ろひやすき日の斑かな
影となりひかりとなりて紅葉かな
落葉踏むかそけき音や山の道
探せども吾が目につかぬ冬菫
落葉踏む道の果へと差す冬日
渓流をうるほしてゐる紅葉かな
滝の音へ木の葉ふはりと散りゆけり
木の葉散る白蛇のごとき渓流へ
天上を紅葉で埋めてをりし渓
苔をなす岩に根を張る紅葉かな
天界の明るさとなる紅葉かな