冬鳥の声に輝く日差しかな
今日は、本郷で吟行会があり行ってきました。
赤門も耳門も閉じ踏む落葉
縦横に銀杏落葉の学府かな
落葉踏み地に柔らかく石畳
日差しみな銀杏紅葉に宿りをり
枯木立枝々に日を集めをり
銀杏落葉尽きて講堂聳え立つ
日当たりて新た水底紅葉かな
青空を映す水面に浮く落葉
飛沫上げ肌黒々と冬の滝
飛石をカンバスとする落葉かな
冬日和学舎に干せる剣道着
落葉道過去へ続ひてゐるやうな
天地へと真つすぐ啼ける冬烏
冬紅葉一樹を囲むやうに椅子
一木に幅といふもの散紅葉
句碑の文字灯してをりぬ返り花
白雲は龍のごとくに冬紅葉
子らの手にブーケのやうな落葉かな
少女らの簪となる落葉かな
学内のひかりとなれる落葉道
煉瓦塀抜き出て空へ花八手
学内の静けさへ散る紅葉かな
飯桐の実を映せざる池の面
山茶花の白を極めてゐる学舎
円形に視線を浴びて冬紅葉
カンバスのまづ着色す冬紅葉
冬紅葉まづ描きをる画家の筆
日の斑へと殊に散りゆく黄葉かな