コスモスや風にもありぬ通り道
今日はまた、素晴らしい天気でした。
雲ひとつなき青空や水木の実
園児らの屈みをりしよ野紺菊
黄葉の樹下の明るさ子ら走る
嵯峨菊に行きつ戻りつ日の斑かな
公園を過ぎゆく人や野紺菊
高みゆくヘリコプターや水木の実
逆光が晩秋の日を深めをり
嵯峨菊の一輪づつに陰日向
野辺の道黄菊が囲む無人市
秋空に奥多摩を置き無人市
木守柿土丸出しの畑かな
学校のなかよし畑赤まんま
秋の日の届かぬ森の深さかな
小社をひとつ抱きぬ竹の春
城跡を過ぎゆくばかり秋の風
城山に三田氏の歴史残る虫
日溜りを睦みて昇る秋の蝶
蜻蛉の影のしきりに行く草原
稲架の上覆ふビニール光をり
vの字に植えられてゐる秋の茄子
団栗のかがやき抱きをりし森
畑ひとつ行きては帰る秋の蝶
濃ゆき日を満身に受け石蕗の花
水陽炎背にしてをりぬ石蕗の花
盛衰を語る石碑や式部の実
小流れに沿へる団地や柿の秋