閉されし防空壕の蔦紅葉
今日は、天気が良かったです。上着なしでも汗が出るほどでした。
黄葉のかがやき入れてをりし空
やはらかく蜻蛉が突く流れかな
蜻蛉の番ひかりとなりにけり
広々と紅葉かつ散る芝生かな
風と空抱きてをりぬ水木の実
青空の血脈水木紅葉かな
血の色の香れる水木紅葉かな
青空をそびらに桜紅葉かな
色鳥の弾みとなれる青き空
鳥声の棲家となれる秋の空
青空へ吸はれて秋の噴水よ
白光す綿に抱かれて辛夷の芽
黄葉の影黒々と道野辺に
秋空を音なき風の過ぎゆけり
謙譲の美徳桜紅葉かな
蕾なす椿個性の兆しをり
大輪の堂々として帰り花
数へれば増えて十月桜かな
一輪の枝の十月桜かな
日の斑にと愛されてゐる石蕗の花
断定が奏づる余韻石蕗の花
身を寄せてぬくみ合ひをる石蕗の花
八方の空へと延びて杜鵑草
大空へひかり持ち上げ杜鵑草
大空のほつれ正せる糸芒
糸芒風の調べとなりにけり
玄関のひと固まりの黄菊かな
黄葉の湖面を滑りゆくボート
黄葉の大樹のひかり浴びてゆく
紅葉の一樹を島となせる湖
肩にインコ宿らせてゆく秋の園