上養沢から日の出山へ登るコースで、養沢鍾乳洞を通るコースは何度か行っているが、その奥の西南尾根は行ったことがないので、一度行ってみようと言うことと、麻生山から白岩の滝へ降りて猫の目草を見ようと、武蔵五日市発上養沢行バスは八時二十二分である。到着したのが八時前で、バス停には随分人が並んでいる。聞けば都民の森への急行が八時七分発で、ほぼ満杯で出発された。上養沢行は小型バスなので、少ない人数でもすぐに満杯となり、途中途中で下車されて、上養沢で下車は私を含めて四人で、後の三人はグループ登山である。先に三人が出発されて、ゆっくりと谷に沿って歩めば、梅の花や山茱萸の花を咲かせた民家は、すぐに途切れて、谷へと入る。林道が養沢川に沿って続いており、養沢鍾乳洞登山口にトイレがある。そこの道標を見れば道路崩壊と書いてあり、三人グループの男子が詳しいようで、ロックガーデンへの道が崩落していると教えてくれる。何れ林道は通行禁止のようだが、そこは構わず通って行く。三人グループの方は鍾乳洞の道を行くようである。林道を行けば、右手が山肌で、左手が渓流となり、右手の山肌からも水がポタポタと落ちてきている。そこを見ながら行くと、山肌に猫の目草の群落があり、崩れそうな山肌の足場を確かめながら、そこへ行くと岩に張り付いた猫の目草が見事な群落をなしている。なかなかにこういう場面はお目にかかれるものではない、と思いながら見とれてしまう。さて先を急ごう。途中葵菫と姫寒菅を見る。しばらくすると右手に山肌を登っていく道があるので、そこを行くと右手に西南尾根の登山口を見る。谷を渡って左手の山肌に取り付き、ジグザグに高度を上げて行く。そういえば入り口に、このコースは何度も熊の目撃情報があるので、との注意を喚起する言葉が並んでいたので、熊鈴を付けて歩く。そういえばこの同じ山塊の滝本林道にも何度も熊の目撃情報があったので、同じ熊であろうと思いつつ歩く。ジグザグに高度を上げる登りが続いて、その内若干緩やかな道となり、それから山肌を巻く道となり。山なりに歩んで行けば、日の出山の鳥居がある四差路の道に飛び出る。そこから急坂を通り、日の出山へ向かう。すぐに坂道となり、大岩の横を通過して、また急な坂道となり、そこを登り切れば視界に大岳山が展望できるところへと出る。左手に東雲山荘を仰ぎ見て、山肌の黄水仙が美しい。山頂の手前でトイレを済まし、頂上へ行く。少し早いが、ここで曇天の関東平野と半分以上見えない丹沢を眺めながら、例によってカップラーメンとカレーパンとコロッケパンを頂く、カップラーメンは持って行く関係上どうしても丼形式ではない形になりやすいが、かといってどんぶりの形式では大きすぎる感じもあり、悩ましい。そこからは降りて麻生山へと歩を進める。ここは金比羅尾根となっており、五日市まで走って行くランナーや、あるいは五日市から走ってくるランナーと出会い、すれ違い、また女性一人のランナーもおられるので感心をしてしまう。途中に花木五倍子の木が一本あり、花がぶら下っているのを確認する。房桜にも出会った。山の瘤を三つほど超えて四差路を麻生山へと登る。ここの展望もとても良いが、やはり日の出山には負けるのと、迂回路があり、地味なせいであろうか。ベンチ二個も設置してあるが、それほど人気のない山である。山頂でバナナを食べて、元来た道を少し戻って、急な滑りそうな道を行けば、正式なルートの道に至り、しばらく泥道を我慢して降りて行けば、麻生平というところに至る。そこから林間を行けば、すぐに谷沿いの道となり、延々と行けば白岩滝の表示に従って行く、途中、谷に降りて猫の目草にも出会って、また山道に戻って滝を一つ越して、二つ目の滝が白岩滝だが、その道が崩落している。引き返そうかと考えたが、通れそうなので崩落したところへと降りて、また這いずり上がって、崩落地を過ごして、橋を渡れば、赤いテープの迂回路があり、どうやら迂回路を見過ごしてしまったらしい。まあ無事通過して良しとして、白岩の滝を眺めて、面白い事に、山椿が必ず咲いているのには、何と言うか取り合わせが良いと言うか、その取り合わせの美しさに感心をしてしまう。どんどん降りて行って、林道とつながる頃に、岩に名残のように猫の目草が咲いている。足元を見ればそこにも咲いている。本当に可愛い感じの花である。さて林道を出て町道に至る。松尾の集落と沢集落を越えて、つるつる温泉センターへと行ってて一風呂浴びて二時のバスに間に合って、今日は四時間強の山歩きでした。
ありがとう、日の出山・麻生山
ありがとう、猫の目草