竹林に透けて山河や春日濃し
今日は、上川乗から浅間嶺・払沢の滝まで歩いてきました。あそこら辺は、雪国になってます。
伐採地殊に白肌春の雪
帯状に山を覆ひて杉花粉
春風や里の小さな美容院
五日市街道に積む春の雪
春浅し集落にある忠魂碑
集落の屋根くつきりと春の雪
鬼切といふ停留所冴返る
出畑てふ寄り添ふ家や春寒し
斑雪包む一村寝静まる
斑雪サクサクと踏む山の道
踏み跡は氷となりぬ山の道
山道の横に山畑はだら雪
ぐいぐいと沈み込みゆく別れ雪
雨跡の大きな穴やはだら雪
木漏れ日は春の陽光なりにけり
木漏れ日に杉の木肌の春めきぬ
この山の涙のごとく雪雫
純白の汚れ知らずの春の雪
山道の踏めば声して涅槃雪
木漏れ日に愛されてゐる涅槃雪
何時までも見飽きぬ富士よ涅槃西風
とけだして杉より落つるはだれ雪
渓の巌思ひ思ひに雪積めり
人気なきひとつ集落春浅し
凍滝や淵に名のあり謂れあり
凍滝の真白き神の化身とも
渓飛沫氷となれるひとところ
天と地を凍滝しかと結びをり
霊気みな凍滝に閉ぢ込めてあり
凍滝の徹底的に一本気
この山の牙かと思ふ滝氷柱
バスを待つ雪の雫の停留所