原爆忌市電ことこと中島町
原爆忌には原爆忌の俳句をと、京都の俳句の師匠が話しておられましたので、出来不出来は別にして、そうさせて頂きます。
原爆忌相生橋は丁字型
建物が生き証人や原爆忌
雲のなき真青なる空原爆忌
歳月が崩せるドーム原爆忌
山巓は秋津の棲家なりにけり
木道を褥としたる赤とんぼ
赤とんぼオオシラビソの森を統ぶ
白雲をそびらにしたる赤とんぼ
池塘へと影を落として赤とんぼ
地底まで届きてゐるか秋の虹
暗雲の速き流れや秋の虹
雨粒の大きな庇秋の虹
霊峰の扉のごとく秋の虹
富士ひとつ腕に入れて秋の虹
佞武多引く吠えて止まざる日本海
雲はみな北へ北へと佞武多かな
地鳴りてふ地霊の声や佞武多引く
天地みなねぶた囃となりにけり
沸騰す先祖の血潮佞武多引く
枝豆を空へ飛ばして口の中
枝豆の両端切りて付きだしに
枝豆や話を聞ひてをらぬ人
枝豆の根つ子も付ひて売られをり
枝豆や角々にある道祖伸
縄文の神の気配や荻の声
それぞれの沼に伝説荻の声
放浪の民の遺跡や荻の声
開墾の先祖の労苦荻の声
荻の声沼が田んぼでありし頃