ひとの世の幸や不幸や蓮の花
今日は、雷が一度だけ鳴り響いて、その後天候が回復しました。梅雨が明けるのでしょうか。
鬼百合のそびらよりする太鼓の音
人住まぬ敷地賑はふ蟻の列
みなまでを見せて鬼百合啖呵切る
鬼百合や民話幾つか残る里
鬼百合が日差しを煽りをりにけり
小夜の雨毬とす蛍袋かな
無量光なればと四方へ蛍袋
昼顔のもののごとくに垣根かな
青蔦の鉄条網を伸びて空
夏草の生ひ茂るまま遊水池
夾竹桃はみ出してゐる団地かな
緑陰の洋館にある出窓かな
どこまでも梅雨の街ある歩道橋
青蔦に廃屋埋もれをりにけり
玉葱を吊るしてをりぬ農の小屋
紫蘇の葉をバケッに挿して売つてをり
塀に沿ひ朝顔咲かせ小学校
鬼百合や城山にある物語
木下闇ひとつ社を抱きをり
木下闇竹林もその中に
堰を急き流れゆく水梅雨晴間
傘差して青田の畦が通学路
芋の露揺らしてをりぬ雨の粒
雨雲を映してをりし植田かな
果てもなく雨を吸い込む植田かな
森閑と木下闇ある社かな
神鶏の声湧き起る木下闇
梅雨の日の天へ反る屋根神楽暖
涼風に幣を舞はせて神楽殿