虎の尾草 | 俳句とお星様と山歩き

俳句とお星様と山歩き

俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

 

緑陰の湖へ開きてゐるベンチ

 

もう雨跡もなくなっている感じです。少し、歩きましょうか。

 

緑陰へ呼びをる自然観察員

緑陰でデッサンをする小さき椅子

緑陰にしばし歳時記めくりをり

緑陰の裸婦像少し恥じらへる

幽霊のやうな真白き蘭咲けり

唇をデフォルメすれば胡蝶蘭

藪蘭やほつたらかしで育ちし子

草叢の中よりぬつと尾上蘭

鉄柵で囲ひてありぬ野生蘭

雷鳥の声運びくる尾根の風

雷鳥の嵐の中の一家族

雷鳥の孤高の姿岩に立つ

雷鳥の人を恐れぬ近さかな

雷鳥の仏の名持つ山数多

ひと渓の謂れを知りぬ姥百合は

傾斜地に残る武蔵野百合の花

花弁を語るごとくに百合の花

山道に囁き合へる百合の花

金堂へ続く坂道百合の花

親に似ぬ娘なりしが藍浴衣

外湯へと腰帯をして宿浴衣

力士の名大きく書ける浴衣かな

波の音に裾のめくれる旅浴衣

一家族浴衣でまづは撮りにけり

夕凪の流川てふ繁華街

夕凪の内海に沿ふ電車かな

夕凪の島を結べる連絡船

夕凪の浮き桟橋といふところ

夕凪のすつぴんでゆく美容院

夕凪を足場としたる能舞台