観音の裳裾となれる桜かな
今日は、秩父の蕨山へ赤八潮躑躅を見に行ってきました。
渓流の闇へ散りゆく谷桜
雲割れてひかり注げる山桜
ほとかとも大岩の洞春日差す
春日受け一息をつく峠かな
細尾根へポトリと落ちて花胡桃
囀りの細尾根といふ舞台かな
木漏れ日に照る赤八潮躑躅かな
細尾根に待つ赤八潮躑躅かな
細尾根の此岸彼岸と山桜
山躑躅見果てぬ夢のありしかと
白雲が抱く赤八潮躑躅かな
息切らし岩を詰めれば山躑躅
桃源郷とも赤八潮躑躅かな
赤八潮躑躅と遊ぶ尾根の道
妖精のごと赤八潮躑躅かな
吾を待つごと赤八潮躑躅かな
山巓へ人来るを待つ花馬酔木
春空の飛び込みたくもなる青さ
もののふのことを語るや山桜
火遊びのごとくぽちぽち山桜
散りてなほ肌美しき山躑躅
幽玄の舞の三つ葉躑躅かな
ひと渓の飛び火のやうな山桜
尾根道を通りぬく風花木五倍子
淡き色満つる大空芽吹き山
遠峯へとひたすらに散る山桜
炭焼の窯の火かとも山桜
里近くなりたる森の百千鳥
杉山の尾根を彩る山桜
山寺を抱きて三つ葉躑躅かな
山里の家々三つ葉躑躅かな
山寺で法垂れてゐる黄水仙
花吹雪木の椅子置ける停留所