弁天山・城山から小峰公園を経て金剛の滝 | 俳句とお星様と山歩き

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俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

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弁天山・城山から小峰公園を経て金剛の滝

武蔵五日市線の武蔵増戸駅と武蔵五日市駅の間に弁天山と城山という里山があるが、登ったことがない。小峰公園にカタクリの花が咲き、金剛の滝のネコノメソウを見ていないので里山歩きをすることにした。電車で行けるところなので出発は何時でも良いが、武蔵増戸駅の到着が八時十分であった。そこからは南下して国道7号線を越えて、山田大橋の手前を右手に行き秋川の橋を渡ろうとすると、工事中で、聞けば渡れないと言う。しょうがないので山田大橋を渡り秋川を超えることになるが、かなり遠回りとなる。渡って網代の集落の方向へ行き突き当りを右手に行き小社のところを入って、少し入ったところに天王沢と書いた森閑とした谷があり、そこを登りゆくと神の森で、原生林のような佇まいの森が広がり、少しく厳粛な気持ちになる。突き当たりが貴志嶋神社の社殿が鎮座する。網代の弁天様として親しまれているところで、それでの弁天山である。上杉前田軍の八王子城を攻めの際には、ここの鐘が陣鐘として使われたとある。洞窟の標示があり、行けばまず大樹が抱く巌の洞窟を為すところがあり、そこにも幣が張り巡らされているが、洞窟は小さい。さらに奥へ進めば、もう一つ洞窟があり、ここが奥社のようで、そこには 石造り大黒天像が収められている。文明年間のもののようで、説明によれば素朴さの中に雅があり、弁財天信仰の証としても貴重であると言うが、洞窟が暗くてよく見えないので、そのことは確かめてはいないが、立派な洞窟で、その形状がまさに女陰に似て、そういう意味でも正しい弁財天信仰であろう。ここから山腹を巻いて行くと、春の日をたっぷりと浴びるところで、早咲きのミツバツツジと今年初の出会いで、何輪か咲いているのがとても嬉しい。少し行くと山巓への道となり、山巓へと飛び出る。樹々が芽吹き、花馬酔木の白が美しい。ここはあきる野市内が見渡せ、五日市カントリークラブのゴルフコースがよく見える。そこからは一旦下って城山を目指す。道は整備されており、特段注意すべきところはないが、整備されている分だけ階段上のところが多い。登り詰めれば城山へと至る。そこの網代城についての記述によれば、「15世紀中頃農山村の武士達は農山村民の指導者として、各地に村単位の自衛権力を保持し、南一揆と呼ぶ武装集団を成立させていた。この山城はそうした者たちによって利用されていたと考えられている。」とあり、その後は滝山城の支城になったようであるが、とても興味深い話ではある。さてこれで里山二山は終了で、次は小峰公園からまた里山を登っていくので、まずは小峰公園を目指しひたすら城山を降りる。山道が平行になると里の白梅が二本咲く畑に隣接する山道へと降りて、舗装路へ出て数百メートル行けば小峰公園へと至るが、今日は休館日とのことで駐車場は使用できないようである。行けば白梅紅梅が咲く山肌を眺めて、休屋のある方へ向かい山裾のセリバオウレンももう終盤であるが、何輪かのカタクリの花が背に翼を反らして天へと飛翔している姿を見る。菫もナガバノスミレサイシンであろうか、群れている白い星のようなセントウソウも多くなってきた。アズマイチゲのひと叢も全開という感じで咲いている。白木蓮の大樹があり天をを自由闊達に自在に動いている。そこで少し早いが昼食をとって、ゆっくりと春の陽光に輝く小さな草花の命の息吹を感じながら、ひとときを過ごそう。昼食の後は桜尾根を登る。まだ花は咲いていないが、咲いたならば再訪したくなるようなところではある。登ればアブラチャンの黄色が青空に映えて美しい。そこから336 M峰へと登り、まだ降り、尾根の明るくなるところでモミジイチゴの花を散見する。下向きの白く美しい花である。さらに行けば金剛の滝分岐へと至り、急坂を降りる途中にカンスゲやヒメカンスゲを見る。さらに行けばカタバミの花が咲ききってはいないが美しい。またユリワサビの花も見る。谷の底へと下ってまっすぐ行けば金剛の滝へと至る。洞窟の前の小さな滝があり、流れの対岸に行くとハナネコノメソウを見る。さらに探すとするツルネコノメソウも見つかる。とても小さくて可愛い花である。洞窟を抜けて金剛の滝の飛沫をシャワーとして浴びて、探せばハナネコノメソウも比較的に見る。黒い岩の肌に、ここを定めとした落椿の色合いが素晴らしい。見上げれば滝の断崖絶壁が反るように迫ってくるのは、迫力というものである。さて戻ろう、急坂の手前の森を探してヨゴレネコノメソウとヤマネコノメソウを見る。これも今年初めての出会いである。急坂を登って広徳寺の方向へは降りず、御嶽神社の方へ行き、山の端に建つ御嶽神社に参って、ヒサカキの花を見る。黄色いつぶらな花である。さてと、里のお昼の時報が鳴り、合わせたように蝶が舞ってくる。菫も随分と種類が増えた。里の自由奔放に枝を放つ白梅を見て、無人市でのらぼうを買って、後は、武蔵五日市駅まで行く。到着が十二時二十五分であったろうか、今日は四時間十五分の山歩きでした。十二時三十九分の電車で帰宅です。

ありがとう弁天山。

ありがとう金剛の滝。

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