葉柳の恨めしさうな寺の門
日野橋がようやく通行できるようになったということで、チャリンコで、高幡不動まで行ってきました。人の少ない珍しい高幡不動でした。
鉄骨を吊りをるクレーン草いきれ
旋盤の匂ひの町を抜けて薔薇
葉桜に覆はれてゐる小川かな
夏の雲横切りてゆくモノレール
奥多摩の稜線並べ薄暑かな
泡泡と富士をとかして麦の秋
天界を引き寄す富士と夏峰かな
新緑や四重ノ塔は朱なりけり
二本の樹仁王のごとく新樹光
慈悲心及ぶ境内青葉風
大師堂へ良き風となる青楓
桃色のつぼみの四方へ八重空木
盤水の句碑ふと太と銭葵
今年竹すらり一本庚申塔
若楓四重ノ塔の雲となる
芍薬の天の羽衣零すかに
芍薬の己が陰影悟らせぬ
緑陰を舞台としたる鳥の声
十薬や土の跡ある仏足石
十薬の水琴窟を照らしをり
竹垣にからまりてゐる鉄線花
青楓くぐりてゆくや大師堂
木漏れ日に立ち上がりたる立浪草
山内に八十八所青楓
青楓ときに全山風となる
夏蝶の我が先々を先回り