(写真は、ユキモチソウ)
葉桜や静かに闘志湧きたたす
谷保の城山を歩いてきましたが、そろそろ二輪草は終わって、若竹がにょきにょきと成長してました。
薔薇の花白を極むる館かな
風に乗りどこへゆくのか揚羽蝶
薔薇絡み屈みて入る勝手口
蔦若葉二階の出窓抱きをり
花茨思ひ思ひに子ら遊ぶ
初夏の少年一人サッカー場
黄菅咲く首を伸ばして鋭き目
葉桜や黒子に徹し幹と枝
薫風や鉄路に沿ひて鉄条網
黒揚羽鉄路を音の辿りくる
予告なく湧きくる茅花流しかな
踏切の後先花壇熊蜂
木漏れ日を伝ひてきたる緑かな
青楓有象無象の影絵なす
木漏れ日がこぼす大樹の緑かな
鳥声の透けゆくばかり青葉山
青葉てふひかりと影の小道かな
若竹の天界目指し迷ひなし
胎内のここちと思ふ若葉山
青楓子らを水辺に招きをり
小流れに沿ひて薫風ゆき帰る
苔庭の薫風のゆく石畳
緑陰を外れ石塔天を衝く
青葉風境の知れぬ庭と森
禅寺の初夏の空柔らかし
小流れに沿ひて菖蒲を咲かしをり
風に乗り風に逆らふ黒揚羽
小魚の花火のやうに散りにけり
夏燕校庭に満つ子らの声
黄菖蒲に導かれゆく流れかな
木漏れ日を奏づる森や風薫る