紅を濃くしてなほ花の散りゆけり
さくらが随分と散ってきました。非常事態宣言が出るようですが、その前に、お国としてやることがもっとある気がするのですが、危機管理能力がない気がします。
母と子の遊ぶ丘へと蝶乱舞
白壁へ色柔らかき若葉かな
校庭のひつそりとして残花かな
銀細工職人の店春灯
路地にある市井の暮し桜草
春空で交差してゐるモノレール
石塀に奉納者の名杜若葉
白砂に散り込むさくら吹雪かな
女子大の白山吹の動かざる
花散るや石材店に七福神
遠嶺へと吹かれて桜吹雪かな
法の道みな紅枝垂桜かな
菜の花や腕まくりして野辺の道
花吹雪川の流れへ還りゆく
生あるがごとくに天の花が舞ふ
惜しむことなきがごとくに花吹雪
鶯の深山の気配連れてきし
せせらぎの音に動かぬ朝桜
若楓日差しにふはり浮きにけり
休校の校庭へ散るさくらかな
小魚の春の小川を跳ねにけり
著莪の花言ふべきことを明らかに
流るるがままに任せて花筏
紅枝垂真近にありぬ黄泉の國
山吹を揺らしてをりぬ池の面
川沿ひの桜吹雪の小道かな