十一月白きものへと日の宿る
どこから風邪を貰って来るものやら知りませんが、昨日から体調が今一で、今日は、家でごろごろです。
穏やかに和する天地や十一月
兄妹でする綾取りや神の旅
真空の音たててゆく神の旅
山襞を深く刻みて神渡
奥山の梢吹き上ぐ神渡
初霜や古代よりある農事暦
初霜や山の裾野が畑なり
冬浅し紅灯並ぶ石畳
校庭に立つ砂煙冬浅し
達磨忌の目玉の親父お椀風呂
達磨忌の円相となる鳶の輪
追憶のゴールデン街一の酉
蛇女ろくろ首ある一の酉
熊手ゆく露天の明り浴びながら
偉丈夫の肩かるがると熊手かな
茶の花の転がつてくる山の肌
茶の花や美人の多き里なりぬ
山茶花や人に生涯恋ごころ
山茶花や離ればかりの料理店
崖のぼり来たる怒涛や石蕗の花
露天湯を明るくしたる石蕗の花
冬の月行方の知れぬ友ひとり
冬の月墓場にありし芭蕉庵
ぱつちりと眸を開けて冬の月
神無月土手で見上ぐる青き空
庭下駄の冬の月光弾きをり