通勤のこころの叫び冷房車
電車の冷房の容量というのは、大小で、かなりの幅があるのでしょうね。また、それを自動的に察知するという仕組みは凄いなと思います。
ドア開き大きく唸る冷房車
青葉風武将の像をうるほせり
原色が好きな齢や花石榴
競艇へバス待つ人や梅雨晴間
夏雲を借景として電車ゆく
長髪の男と歩む白日傘
沙羅の花純なこころを人は持つ
町内の幼ともだち花萱草
甲州のビルの二階に葡萄棚
夏の蝶笑顔こぼしてゆきけり
性格はひとりびとりや立葵
己が影見つけて寄りぬ夏の蝶
夏帽子大きく振つてゐる少女
洗濯物映してをりし植田かな
青葉闇森の湿りも抱きをり
噴水の音運びくる苑の風
青葉風帽子みどりの園児たち
木登りの少年が呼ぶ白日傘
噴水の水面に恨みあるごとし
過ぎ去りし時をとどめて蓮の花
開くてふことの一途や蓮の花
壁当ての音抜けてゆく夏の空
D51が生み継ぎてゐる積乱雲
消防車それが遊び場夏休み
子らの声溢れて来たるプールかな
ささやかなことが喜びさくらんぼ
金雀枝やあきらめきれぬ夢ひとつ