
高水三山
朝日が美しい。今日は、天気が多分持つのではないか、青梅線は、ほとんどが登山客で、この列車は、青梅乗換である。奥多摩線は、立ち席が出るほどの賑わいである。冬の低山の宜しさをお知りになっている方が、多いと思うのである。軍畑で下車するのは、10人程度か。まあ、ほとんどが、高水三山と思われるが、そうでもないケースもある。駅前で、準備をして、駅前の商店がもう、開店して、おにぎりなどを商いしている。流石に、寒波が来ている通りに、寒さもひとしおである。それでも、歩くとすぐさま、暖かくなるので、アウターをザックに仕舞って、お出かけである。線路を逆に進み、線路を渡って、右手の床屋の看板が、営業もしてないのに廻っているのは、電気をつけっぱなしのせいか。坂を下りて、広い道路は、左手に進む。ほとんどが、道なりである。渓流は右手にあり、せせらぎの音が、何とも心地よいが、寒さを助長するかのようではある。草木染のお宅を右手に見て、右手の木材会社は、木材を使った、小物を売っている。ちょと見だが、なかなかのセンスではある。坂を上がるようにして、また降りるところに、橋があり。右手は榎峠へと至る。ここは、渓流を右手に見るように進む。民家がぽつぽつとあり、外の落葉を掃いている。挨拶をしながら歩む。霜の降りた、渓流の中州で、烏が二羽舞っている。畑には、わずかに寒菊が震えながら咲いている。山肌の冬菜は、大根、おおきく腕を広げている。白菜も縄で結わえたもの、新聞紙で包まれているもの、様々である。二股に分けれる坂道を、右手に高源寺の方向を採る。高源寺では、地元の方々が、掃除をしておられる。ここからが、若干、急な、坂道で、右手に柚子の畑を望む。マイクロバスで来ていた団体を追い越し、登山道は、右手の渓流に入る。階段状の登山道を進み、この前に熊の目撃情報がありという看板を越えて、山肌を水平に歩み、木橋を渡り対岸に取り付く。羊歯が萌えている。冬にも萌えるものがあるという、命が織りなす多様な自然の様相がここにある。また、木橋を渡り、今度は、枯尾花の山肌に取り付く。伐採した当時は、すさんだ状態だったが、なんとか、登山道も安定して、枯尾花も、日当たらなければ、死に人のような様相で、山肌を覆っている。尾根に取り付き、尾根を上る途中に、都心が遠霞みの中にビルが塔が聳えているのが見ることが出来る。また山肌を巻いて、高水山の尾根に取り付く、途中に成木への林道経由の山道を分ける。あと少しで、常福院に至る。山門に至る階段の両側が千両で、まことに目出度い限りである。今日は、寺の方が掃除をしておられる。見れば、本堂の縁側が開け放たれて、ご本尊がおわす、本堂の座敷が丸見えである。何度となく、ここは訪れているが、こういうことは初めてである。本堂に手を合わせ、お堂にお祈りして、高水山は、すぐそこである。大岳山の特異な形が見えている。ここで、小休止して、岩茸石山へ向かう。ロープを二か所ほど張ってあるが、これは愛嬌である。右手に見える山々は、奥武蔵の山々であろう。方向として、飯能の方である。なだらかな丘が連なっている感じである。途中に、展望が良いところが一か所ある。そこからは、岩茸石山への登りとなり、このコース一番の急峻なコースとなるが、大したことはない。ひとのぼりで、岩茸石山の山頂である。北側と東側、西側も若干開け、南側は枯木立で、この展望も良い。北側は棒の折山に続く稜線が続き、西側には、赤杭尾根が続き、その頂上が川苔山である。都心も見える。ここで、相変わらずの「ほまれ屋のおにぎり」を頂戴して、アウターを着こむが、さすがに寒い。熱いお茶が何ともありがたい。見れば、雪雲らしき雲が北西から山々を飲み込むようにやってきている。さてと、惣岳山を目指そう。少し動けば、身体もあたたかくなるが、手をポケットに入れたまま、山をバカにしてませんか。神杉の注連縄を過ぎて、当然に合掌です。左手の開けたところから、高水山方面を望み、右手に開けたところから、雲取山の方向を望む。なおも歩めば、惣岳山の登山道に至り、岩場も少しはあるので、少しは楽しめるところである。頂上は青渭神社が鎮座して、お参りするのである。結構ここで、昼食をとられている方が多いが、御岳から来るとそういう時間になるのではないかと思わぬではない。そこからは、降りて、神水が湧く水場で、高水山方面と分かれ、御岳方向に山道を分ける。ひたすら、山肌を尾根道を交互に分けて、御岳への山道をを分けて左に沢井駅の方へと入る。時期に、沢井の集落に至り、ここもまた、柚子が見事であるが、ほとんど、収穫されている。農家の庭の冬スミレが、なんとも生気を放っている。冬菜の畑の青葉が、印象的である。奥多摩線の信号を横切って、沢井駅に至り、そこで着替えて、小澤酒造へと坂道を下りる。新酒が出ているので、それを試飲したいと思っているのである。試飲コーナーがあり、聞けば、園内の摘みはOKとのことで、もつ煮と芋サラダを購入して、まずは、新酒から試飲である。さっぱりした飲み口がこたえられない。次は、大吟醸に挑戦して、古酒などをこころゆくまで味わって、ご帰宅である。
有難う、高水三山。
有難う、小澤酒造。