釣船草 | 俳句とお星様と山歩き

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俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

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水あらば水にそよぎし釣船草


日当りの水場の近くに、生息するように思う。

金剛山から葛城山への登り返しに、水越峠という、実に、情緒たっぷりの峠があり、

そこに、金剛山から降り立ったときに、釣船草の群落に出会ったことを思い出す。

なぜか、水越峠という名前と、釣船草のそのバランスが、

さすが、古人が名付けたものであると、感心したのである。

奈良から大阪へと抜ける峠であるから、

歴史そのものは、充分にあるに違いない。

釣船草というと、そのことを思い出すばかりである。


林間の日に裏返る秋の蝶

雨雲を呼び込み揺るる水引草

林道に大岩小岩秋の蝶

渓はみな雲湧くところ秋の雨

青梅街道なりしはむかし登山道

丹波山の渓に佇み葛の花

秋時雨濡らす峠の石畳

峰々に高みを競ひ秋の鳶

杉鉾の尾根を重ねて秋の山

大菩薩峠ひらりと秋の蝶

街道に表も裏も秋の山

逸早く逃げ行く鳥や秋の山

振り向けば秋雨となる峠かな

ブナ大樹祠の中へ秋時雨

登高のいにしへ人と歩みたり

稜線の人と出会はぬ秋の山