夜の秋 | 俳句とお星様と山歩き

俳句とお星様と山歩き

俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

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潮騒の音となりゆく夜の秋


なにかこの頃は、夜の秋なる風情もないような気がする。

異常気象で、夏の喜びも、秋の愁いもなく、過酷な自然に翻弄される地球の姿が、

見えるばかりである。

更にいえば、古代もまあ、こうあったであろうし、もっと、過酷であったに違いない。

地球が再び変化しようとする兆候なのであろう。

それが、安定するまでは、かなりの時を要するのであろう。

自然のとりとめもない力の前には、人間の力なぞ、なんのことがあろうぞである。


曾祖母の裁縫箱や夜の秋

兜屋根連なる村や夜の秋

登窯封じて置くや夜の秋

赤レンガ倉庫群とや夜の秋

窓開けて遠き灯の見ゆ夜の秋

陰陽師安部晴明や夜の秋

山家へと訪ね来しひと夜の秋

黄ばみたる酒場のポスター夜の秋

ポスターが語り継ぐこと広島忌

若き日のポスター一枚百合匂ふ

ポスターで募集してをり祭笛

新涼の琥珀の眼鏡なりにけり

先生の眼鏡ずり落つ水着かな

眼鏡して涼しき一重瞼かな

鼻と髭付たる眼鏡夏祭