地蔵院 | 俳句とお星様と山歩き

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俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

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地蔵院




 竹林の声が聞こえる。山門に入った瞬間が誠に、禅寺である、地蔵院。京都の寺はかくあらねばならな

い。一歩踏み出したその瞬間に全てを理解する。竹林の声が聞こえる。お互いの身を打ち合って、竹の音

が響く。細川頼之公建立の寺であり、一休禅師修養の寺である。この静寂、ここにある宇宙が、私を包み

込む、本尊は地蔵菩薩、方丈のお庭が、十六羅漢のお庭、単なる石がそれぞれに配されて、形を成さない

からこその十六羅漢の石そのものが、十六羅漢そのものに成りきって、秋空を流れ行く白雲も、この狭庭

には、影をなさずに、只管に、己が影のままに、これが、吾が自由であると謂わんばかりなのである。頼

之公の墓所は誠に、楚々として、そのお隣の、樹が大樹をなして、生きるものと死するものとの、対比が

凄まじいのである。折りしも、詩吟の結社の方々が、来ておられて、なかなかに、貴重な、詩吟の一節

を、竹林の中に今昔の物語を、有難く聞かせていただいた。