銀河鉄道出発しました | 俳句とお星様と山歩き

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俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

お星様は、銀河鉄道が再開するという話を聞いて、行ってみた。

馬やキリンや狐や牛や蛇や、あらゆる動物が集まってきていた。

人間も大勢いた。みんな動物たちと楽しそうに話をしていた。

銀河鉄道は、いまにも、出発しそうに、白い煙を吐いて、時たま、汽笛を鳴らすのだった。

テープカットの儀式が行われ、そのテープをヤギさんがむしゃむしゃ食べた。

乗り込むぞ、みんなぞろぞろ、乗り込んでいった。

入ること、入ること、入れないみんなは、そとで、見送りだ。

宮沢賢治に似たおっさんや、カンパネルラやジョバンニに似た子供乗り込んだ。

猪も冬眠を忘れた熊さんも、乗り込んで。

おもむろに、出発した。

まずは、月に向けて行くようだ、ぽ・ぽ・ぽ・ぽ・ぽ~

がっしゃんがっしゃん・ぽ・ぽ・ぽ・ぽ・ぽ~

カラスさんたちが夜空で見送った。

お月様に向けて、出発した。

お星様は、なんだか、感動が身体に満ちてくるような気がした。

乗ってなくてこうなのに、乗ってたら、どんなに感動するだろうか。

大きな車輪が、一歩二歩、歩み始めた。

お月様に向かって、行った。

ものすごい速さで、小さなお星様を引き連れて行く、まるで、夢の世界だ。

見えなくなってしばらくして、音も消えた。

どうやら、止まってしまったようだ。

後退してきた。

再び、みんなを下ろすと、みんなは、あっという間にどこかへと消えた。

銀河鉄道も、ぽ~と一声鳴らすと、消えてしまった。

後に、冬の芒原が残った。

お星様も、不思議そうに、頭を傾げると、帰っていった。