お星様が、ポチャと入れ物の中に入って、ジュウと音がして、底に沈んでしまった。
良く見ると、気持ち良さそうに、名水の底で、揺らいでいるので、
そのままにしておいた。
その水は、心なしか、甘みがあって、内臓に染み透る味わいだった。
その夜に、やはりというか、お星様の夢を見た。宇宙の夢で、
地球がだんだん、とおくなり、青い国境のない、惚れ惚れするような地球が遠くなってゆく。
何千光年かしらないけど、生命のない、泥のように眠りこけたお星様ばかりだ。
いつしか、身体が膨らんで、宇宙の大きさになって、体内をお星様が運行している。
不思議な感覚だ、意識があって、ないような、意識まで膨張しているような、
感覚に捕らわれて、いた。太陽さんと目が合うと、とたんに、身体が凝縮して、
気が付いたら、朝だった。
水を一杯飲もうとして、水の入れ物を見ると、お星様は、まだ、スヤスヤと眠っている。
出勤すると、仕事の悩みがみんな消えて、何事にも寛容になっている自分に気が付いた。
不思議と、仕事がはかどり、疲れも仕事に中で消化するようだった。
だけど、夜、また、宇宙に膨らんでいくのは叶わないなと思った。
帰宅すると、お星様が、入れ物の大きさに膨らんでいた。