銀行に新卒で就職する場合、銀行の規模にもよりますが、大まかに二通りあります。
総合職と一般職です。
総合職は業務が広範囲で、且つ専門性を求められます。
残業や休日出勤などの柔軟性が必要になります。
一般職は、窓口、為替、出納、本部職員などの事務職を中心として採用されます。
休日出勤は異例事項(システムダウン、災害)が起こらない限りまずなく、残業も基本的にはありません。
女性が圧倒的に多いですが、最近は男性で受験する方もいると話を聞きます。
その他としては、国際部、ディーリング、個人向資産運用コンサルティングなどの特殊採用などがあります。
私は総合職で入行しました。
新入行員を乗り切るためには様々な試練が待っています。
以下は総合職の場合で、支店で勤務する前に待ち構える関門です。
① 最近では当たり前ですが、入行する前に、つまり大学生の間に資格取得をさせるのが一般的になってきています。
主なものとしては
・簿記2~3級
・証券外務員2種(1種、内管などもありますが、これは銀行に勤務しないと受験資格がありません)
・FP3級公的(入行後には各自AFPやCFPの民間FP資格を取得する)
ここで証券外務員とは何かと言うと、リスクのある投資信託などの販売に必要な公的資格です。
無資格での販売行為は犯罪となります。
この資格取得が入行後の配属に影響することがありますので、ほとんどの学生が指示された資格を卒業までに取得するのが当たり前となっています。
② 内定行員研修(約2週間)
卒業前に一度、内定行員を集めた研修があります。
内部、外部委託は各行によって違いますが、いわゆる内定者の囲いこみ行為です。
ない銀行もあります。
挨拶や言葉遣い、立ち振る舞い、接客、名刺交換などの社会人としての基本的なことを学びます。
また卒業資格や資格取得の進捗状況もチェックされます。
この研修で学生気分がリセットされるので、その意味では意義のある研修だと思います。
③ 新入行員研修(1~2ヶ月)
入行して配属する支店、部署が決まると同時に、長期の合宿研修に入ります。
この時点ですでに各新入行員には支店の看板を背負っているので、支店・部店長の中にはプレッシャーをかける人がいます。
つまり、資格取得の際もそうですが、この辺りからレースが始まっていると言ってよいでしょう。
研修では、預金、融資、為替、資産運用、法務、コンプライアンスなどの基本的なことを学びます。
毎朝日経新聞を読み、指名された者が講壇に立ち、気になった記事を解説し、自らの意見を発表します。
この際もなるべく金融に触れるようにしなければ注意を受けます。
その他、集団ディベートなども絶えずありますので、銀行を目指す人は学生の頃から日経新聞を読み、時事力を蓄えておかなければこの時本当に後悔します。
毎日or一日置きにテストがあり、張り出されます。
問題量は多いですが、教えられた中から必ず出るので、記憶力が求められます。
また、私の銀行の場合は記述式が多かったので、頭抱えたのを覚えています。
上位はルンルン気分ですが、100番辺りは顔面蒼白状態です。
深夜の勉強は自由ですが、睡眠とのバランスをとらないと中には研修中にリタイアするものもいます。
電卓や札勘(お札を扇のような形にして、瞬時に枚数を数える)の特訓もあり、できないものは寝れません。
今はだいぶ優しくなったようで寝かせてくれるようですが。
この研修で同期のことがいろいろ分かってきます。
極端に勉強はできるがディベートや発表には弱いもの、その逆のもの、自己中なもの、自分の派閥を作るもの、人を寄せ付けず一匹狼なもの、面倒見のいい者、極端に弱気な者、いろいろあります。
この競争勝ち抜いた上位成績者且つディベート討論優秀者の中から新入行員代表者が選ばれ、入行式に挨拶をすることになります。
この研修で2割近くが転職を考えるようです。
実際どこの銀行も1年以内にたくさん辞めています。
銀行は本当に合う合わないがあると思います。
ちなみに私はこの研修では泣かず飛ばずの真ん中あたりの成績でした。
しかし、電卓とディベートは得意で、ディベートではほとんど司会役を買って出てました。
司会は一番楽です。
実際の初勤務は次回にお話します。