文字数:2356文字(原稿用紙約6枚弱)
※おことわり マニアックで個人的な想い入れが強く、長い記事ですのでご了承ください。
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今日はドイツのジャーマンメタルを代表するバンドであるHELLOWEEN(ハロウィン)の元ドラマーで、バンドの名付け親でもあるインゴ・シュヴィヒテンバーグが亡くなった日で、亡くなってから丸27年を迎えました。
バンド名のHELLOWEENについては、へヴィメタルなので地獄っぽい方がいいという事で、スペルをHALLOWEENではなくHELLOWEENにしたと言う逸話を読んだ事があります。
彼の訃報は1995年(平成7年)4月に発売された、へヴィメタル専門誌であるBURRN!5月号の中で知りましたが、アーティストの情報について数多く書かれている記事の中に詳細が不明だったのか2,3行だけ書かれていた、注意しなければ見落としそうな記事でもありました。
※画像はアマゾン様のサイトから。
最近では竹内結子さんや神田沙也加さんの訃報に接した時も同じ思いをしましたが、まだ亡くなる年齢ではない自分の中でその死がありえない人の訃報に接すると、“えっ”という言葉が無意識に出るのと同時に、自分の電源を落とされる感じがして、彼の訃報に接した時もそんな思いがしました。
命日は覚えていたものの、危うく忘れて過ぎそうにもなったのですが、思い出したきっかけはYouTubeのお勧めで出てきたドイツのバンド、RUNNNING WILD(ランニング・ワイルド)の“Death or Glory”のアルバムを聴いていた時で、何故思い出したかわからないものの、忘れなくてよかったと思いました。
私がハロウィンを好きになったのは、1993年(平成5年)秋頃で、この頃のハロウィンはジャーマンメタルからかけ離れたと言ってもよい“Chameleon”(カメレオン)を出して間もない頃でした。
私がハロウィンを知って間もない翌1994年(平成6年)に入ると、ヴォーカルのマイケル・キスクと体調がよくなく前年の来日公演にも来ていなかったインゴ・シュヴィヒテンバーグの脱退が発表されますが、オリジナルメンバーで、ギターのマイケル・ヴァイカートとの関係に亀裂が生じていたマイケル・キスクの脱退はやむを得なかった気はしたものの、インゴ・シュヴィヒテンバーグの脱退は残念でした。
バンドはこの年の夏にヴォーカルにアンディ・デリスとドラマーにウリ・カッシュを迎えて“Master Of The Rings”(マスター・オブ・ザ・リングス)をリリースし、ジャーマンメタルの代表バンドとして音楽性も回帰し、その存在感を示す事になります。
インゴは脱退してからどうなっていたか全く分からなかった中で伝わってきたのが彼の訃報でしたが、ハロウィン在籍時よりアルコールやドラッグに冒され、それが原因で体調を崩して脱退に至り、27年前の今日3月8日に鉄道自殺し、29歳という若さで亡くなりました。
当時はインターネットもないので、情報を知るにしても雑誌やラジオでの情報しかその術がなく、インターネットで情報に接する事ができるようになって彼の死の詳細についても知る事ができました。
彼が何故アルコールやドラッグに冒されたのかはわかりませんが、彼の見た目はどこか松村雄基さんにも似ていてバンドの中でも1番カッコよく、人懐っこそうな笑顔からは人柄の良さが伝わるものの、そこには弱さというかメンタル的な危うさもありそうで、彼の優しさが弱さにも繋がり、アルコールやドラッグに冒される事に繋がったのではないかと私は勝手ながらに思っています(下の写真後ろの右側がインゴです)。
インゴといえば初期のハロウィンを支えたドラマーであり、特別速くはないけれども一定のリズムで確実に刻み続けるそのツーバスはハロウィンの音楽の屋台骨そのものであり、それはインゴならではのリズムであり安定感だと思っています。
インゴが脱退したのを知った時もショックでしたが、その時は体調がよくなったら戻ってきてくれると思っていましたし、そう願ってもいましたので、彼が亡くなったという記事は間違いか見間違いにしか思えませんでしたし、信じたくなかったというのが本音でした。
下の動画はハロウィンを代表する1曲である“Eagle Fly Free”の映像で、1992年(平成4年)のものですが、帽子を被ってドラムを叩いているインゴは、この時既にアルコールやドラッグに冒されていたのかもしれないと思うと、インゴであってインゴでない気がします。
私も彼が亡くなった歳をとうに過ぎてしまいましたが、メンタルが弱い私は彼がアルコールやドラッグに冒された気持ちもわかりますし、そのような物に走るか否かは紙一重だとも思っていますので、彼がアルコールやドラッグに走った事については何も言えません。
彼がアルコールやドラッグに冒された時期は、バンドのオリジナルメンバーであるカイ・ハンセンが脱退したり、ハロウィンが契約上のトラブルを抱えたりと、ハロウィンにとって不遇の時期といってよい時と重なる気もしますが、もしそういった事がなければ彼がアルコールやドラッグに冒される事はなかったのではないかとも思います。
彼は人が良いだけでなくとても真面目だったと思いますし、それ故に様々な葛藤の捌け口としてアルコールやドラッグに走らざるを得なかったのかなという気もしますが、彼がどんな想いで飛び込んだのだろうと思うと、これを書きながらも胸が苦しくなるような思いがします。
違う世界に行って丸27年、こちらで過ごしていたのと同じだけの時間が流れようとしていますが、そちらの世界でもその優しい笑顔で多くの人を魅了しながら、インゴだけのリズムを刻んで多くの人を感動させ続けてほしいと思います。
インゴにとっての今日からの1年が良い1年となる事を心から願っています。
おわり
最後までお読みいただきましてありがとうございました。