ゴルフの醍醐味 | 「ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み・・・」大叩き男(イラストレーター渡辺隆司)のブログ

ゴルフの醍醐味



正直、男の全英オープンには興味があったが、女子のメジャーとはいえ「エビアン選手権」に特に興味はなかった。
まあ、最近のゴルフを象徴するような「ぶっ飛ばしてチョンと寄せ、パットを入れてアンダー」なんてゴルフを繰り返して大量のアンダースコアの勝負...女子プロだってそんなところだろうと思っていた。
,,,男子のスコティッシュオープンもそうした戦いのようだったし。

ところが、ところが、だ。
古江彩佳が優勝しちまった。
今年、何度も優勝争いに絡むのに最後に脱落しちまうパターンが続いていたので、2日目を終わってトップだとか聞いても「結局、彼女はいつも善戦止まりなんだよなあ」というのが正直な感想で、負けるのを見るために中継を見たいとは思っていなかった。

だって、彼女の身長は153センチ(公称)で米ツアーで一番小さいそうだし(実際はもっと小さく見える)。
ドライバーなんて、「ほとんど身長と変わらないんじゃ無いの(ホントは38センチ高いらしいけど)」ってくらいに長く見える...それにドライビングディスタンス部門での順位は123位だって云うし。

...今のゴルフ界は男も女もパワーゴルフ全盛で、まず飛距離が出なくては勝負にならない、のが常識...昔は「ゴルフは頭とパットがあれば飛ばし屋にも勝てる」とゴルフの格言なんぞでもよく言われて来たし、だからゴルフは歳を取っても力自慢の若いのに対抗できる唯一のスポーツなんぞとも言われて来たのだが、現実は見事にパワーゴルフに屈服させられている。
小技なんて使う前に、ドカンと打たれてチョイと入れられて終わりなのが現代ゴルフ...つまんないったらない。

そこにパワー無い・飛ばない古江のメジャー優勝だ。

俺もつくづく見る目が無いなあ、と認める。
古江はショット正確性は凄い、小技も上手いしパットも上手いと知ってはいた。
常にセカンドショットを最初に打たなくてはならない状況で、常に同伴競技者より長いクラブを使って勝負して行く根性も知ってはいた。
ただ、最後にスコアを決めるパット...他の人より長いクラブで乗せてくるショットはどんなに正確でも、より短いクラブで乗せてくるプロよりは遠いパットが残る。
しかも、俺の考えは「パットは水物」,,,どんなにパットが得意な選手でも、パットの調子が良い選手でも、神がかり的によく入ったラウンドの翌日に、全く入らなくなり敗れ去った選手を数え切れないほど見て来た。
パットの超名手と言われる選手が、1mのパットを外しまくる時もあった。
やはり、パットが得意と言われる選手が「ここ一番」のパットを外して崩れ落ちる様も何度も見た。

なのに、最終日の古江のパットは崩れなかった,,,その前3日間もよく入れていたのに。

素直に認める。
あの体で・あのパワーで;あの飛距離で、本当に凄い。
これは飛ばし優先・飛ばし全盛の時代に、見事に一矢を報いる偉業だと思う。

続いて全英女子オープンなんぞも勝ってしまって、あらゆる非力なゴルファーと老いて力の衰えたゴルファー達の希望の星になればいいなあ。

,,,いいニュースだ。