幼・保一元化を考える③
一方、娘と同じ昨年4月に区立保育園に入園の叶った一才年下の息子は、発熱はするものの少しずつ保育園生活に慣れてきていました。
この保育園は、娘の通う私立幼稚園のような、例えば水曜日は体操の時間があり、金曜日はリトミックがあり、上のクラスにいくと英語の授業もありといった教育的なカリキュラムはありません。
当初は、その部分に私は物足りなさを感じていました。
しかし、子ども達が一日の大半を過す「生活の場」としての手厚さがそこかしこに散りばめられているのを、日を追うごとに実感するようになってきたのです。
まず、この保育園では、午前中は天候さえ問題なければほぼ毎日園外へお散歩に行くのです。
2歳児クラスはさすがにまだ幼いのでそう遠出はせず、近所の大きな神社や公園で季節ごとの虫や植物を観察したりといったところですが、3歳児クラスになると、驚くほど遠くの林や公園まで出かけていきます。
その距離たるや地下鉄なら二駅分くらいはざらで、到着した林で自然の中で遊んだ後は何度も全速力で走り回らせ、また皆で歩いて園に帰ってくるのです。
上の娘が保育園に転園したあと、「保育参加」なるものに参加して一緒にひどく遠い場所にある林まで行ってきましたが、冗談でなく私の体力ではついていけないほどでした。
「散歩」ではなく、毎日「小遠足」が行われ、自然の中で走りまわさせる、という方針を私は気に入りました。
娘の幼稚園の場合、セキュリティー面への配慮が非常に厚く、年に数回の「遠足」「小遠足」の日しか保育中に園外に出ることはありませんでした。
弟の保育園で毎日のように散歩に行っている一駅先にある広大な公園が、娘の幼稚園では年に数回の特別な「小遠足先」なのです。
夏になり日差しがきつくなってくると、遮る木々などのない園庭がカンカン照りになる娘の幼稚園は、わずかなプールの時間を除き一日の殆どをずっと室内で過すようになってきました。
対して息子の保育園では、園と隣接する公園に生い茂る大きな木々の枝に、巨大な黒い天幕から伸びるロープをあちこちに括りつけ、園庭に直射日光が差し込まないような工夫をするのでした。
お昼を挟む数時間はさすがに日差しがきついので園児は園庭に出ませんが、元々昼食後13時~15時は保育園ではお昼寝の時間です。
お昼寝から覚め、おやつを食べると、子ども達はまた園庭で暗くなるまで泥だらけで走り回ります。
また、幼稚園に付帯する「認定子ども園」の場合、夏休みなどの長期休暇中は一つの課題となります。
「認定子ども園」の子ども達は長期休暇は無関係に預かってもらえるのですが、日替わりの単発のお預かりのお子さん以外は、通常保育のお子さん方はまったくいませんから、ガランとした広い幼稚園で3人とか4人とかで毎日一日中過さなくてはならず、迎えにいくと、ポツンと遊んでいる娘をみて、随分胸が痛みました。
児童数が少なければ比例して先生の人数も少ないですから、非常に淋しい感じなのです。
その他、うちの場合は給食内容の差も大きかったです。
娘も息子も給食なのですが、保育園は園内で全て調理され、いわゆる「お袋の味」の給食が出ます。
季節を意識したメニュー、豊富な魚類、必ずつく汁物、など、実に配慮されています。
対して娘の幼稚園は園外のお弁当屋さんからの宅配で、手作り感とはかなりかけ離れたから揚げやシューマイ、ハンバーグ、ウィンナーなどが主でした。
おやつも同様に、保育園はすべて手作りの「ニンジンケーキ」などが出ますが、娘の幼稚園はチョコレートやビスケットなどの袋菓子でした。
以上のように、同時に幼稚園と保育園に入園した二人の子供たちの園での生活ぶりを見て、いろいろなことを思ううちに、突然、上の娘の保育園入園許可の通知が来たのです。
弟と同じ保育園の娘のクラスのお子さんが、一人転出されたのでした。
それで、今は二人とも喜んで保育園に通っています。
… 次回に続く。