国内郵便用の白抜十字印は、1875~82年(明治8~15)に14の郵便局で使われました。また、この印は白抜記番印に続いて使用されたと思われます。白抜十字印使用14局のうち白抜記番印は7局に過ぎません。記番印は記号入番号印のことで、記番印から直接白抜十字印に切り替わった局もあります。

 

白抜十字印は外国郵便印にも用いられていますが、国内郵便印のものに比べ直径が大きいので、単片上でも識別可能になります。東京、大阪、京都、横浜、神戸、長崎、函館、新潟、名古屋、金沢、熊本、鹿児島、高崎、熱田の14局で使用されました。

 

印影は円形に白抜きで十字が描かれています。直径は10~15mm程度ですが、中には長崎のように25mm程度のものもあります。

 

使用切手は、旧小判切手の2銭です。この切手は、明治8~25年にかけて発行されました。使用紙は洋紙で薄いものから厚いもの、粗密、純白から茶褐色のものまで、変化が大きいということです。