【肉筆FDC】愛の血液 助け合い運動 10円 昭和40年9月1日 直筆挿絵 佐藤省三郎
1. 切手発行の背景(歴史的経緯)● 1950年代:売血の横行1950年代の日本では、民間血液銀行による「売血」が盛んになり、 栄養状態の悪い人が頻繁に売血 赤血球が少ない「黄色い血液」問題 血清肝炎の多発 など、血液の安全性が深刻な社会問題となった。● 1964年:ライシャワー事件で社会が動く駐日米国大使ライシャワー氏が刺傷事件で輸血を受け、血清肝炎を発症。 その血液が買血によるものだったことが判明し、 「国の恥」と報じられ、政府がついに本格的に献血推進へ動いた。● 1964年8月21日:政府が献血推進を「国の事業」に閣議決定「献血の推進について」により、 厚生省 日本赤十字社 都道府県 が共同で献血推進を行う体制が整備される。● 1965年:全国的な「愛の血液助け合い運動」開始この運動開始を記念して、1965年(昭和40年)9月1日に記念切手が発行された。 当時は運動が「9月」に行われていたため、発行日も9月1日となった。2. 切手の図案の意味(背景のモチーフ)● 移動採血車切手には 赤十字マークの移動採血車が描かれている。 これは、1956年の「採血及び供血あっせん業取締法」施行後に導入された日本初の採血車で、 安全な献血体制の整備を象徴する存在だった。● 子ども採血車の前に立つ子どもは、 明るい未来 健康と生命の尊重 社会全体で支え合う姿勢 を象徴するデザインと解釈されている。3. 切手の基本データ 名称:愛の血液 助け合い運動 発行日:昭和40年(1965年)9月1日 額面:10円 発行枚数:2,500万枚 図案:移動採血車と子ども 目的:全国的な献血推進運動の開始を記念◆ 佐藤省三郎(さとう しょうざぶろう)とは郵政省の依嘱で記念切手の図案制作を行った図案家・画家。 昭和30年代後半〜40年代にかけて、郵政省の公式図案家ではなく、外部の画家として依嘱される形で制作していた。 公共キャンペーン 社会福祉 医療・献血 労働・交通安全 など、国民啓発を目的とした記念切手の図案を多く担当した人物。◆ 代表的な担当切手(郵便史的に重要なもの)● 愛の血液・助け合い運動(昭和40年・10円)● 交通安全運動(昭和39年)● 労働衛生週間(昭和38年)◆ 図案の特徴 明快でわかりやすい構図 子ども・家族・労働者など“国民”を中心に描く 社会運動の理念を象徴的に表現する 写実とイラストの中間のような柔らかいタッチ 色彩は控えめで、メッセージ性を重視※佐藤省三郞の印は省の字を模したものが特徴である。裏は研究会肉筆版限定70の手彫りの印が押してある。