新聞奨学生 71歳男性
私には忘れられない新聞奨学生がいます。
20数年前の夕方…見知らぬ青年が家を訪れ、「僕は来月大学を卒業し、田舎に帰って就職します。長い間ありがとございました」と頭を下げました。
自分の配達先を一軒一軒回り、あいさつしているようでした。
私は胸が熱くなりました。
嵐の日も大雪の日も、休まずに新聞を届けてくれた彼に感謝すべきは私の方でした。
卒業の季節が近づく度、あの青年のことが心に浮かびます。
僕らの同世代にも…新聞配達が条件で学費を援助してくれて・・・
とにかく苦学生が多かった‼
でも~夢があったから(V)
介護士へ 74歳男性
要介護4の妻と有料老人ホームに入居し、訪問介護士さんの助けを借りています。
老人ホームの入居者の中には高齢による認知機能の衰えのせいか、他の入居者たちの面前で介護士さんを罵倒する人もいます。
あとで介護士さんに尋ねると、「人の心は一定ではありません。あの方もすごくいい面を持っているんですよ」と。
そんな時、「大変な仕事だ。私など足元にも及ばない」と尊敬の念を抱かずにいられません。
たまたま人の悪いところを目にすると、全面的に悪人だと思い込でしまう私って一体・・・。
現在妻はオムツの中への排せつ介助やベッドと車椅子の移乗介助を受けています。
私たち夫婦が感謝の言葉を述べると、決まって介護士さんも「こちらこそありがとうございました」と返されます。
妻の大病がなかったら味わえなかったうれしい体験を、夫婦でさせてもらっています。
多くのこと、いろいろな事がありすぎるけど…一言でいえば「すべてに感謝」