皆様、こんにちは。
桜水現実(オースイうつつ)です。

つい先月、体育の日がありましたが、
その時にふと思い出したことがあります。

幼稚園の時のこと。

私はリレーの選手でした。

昔から他はからっきしなのに、逃げ足だけは早くて、
幼稚園から高校まで、ずっとリレー選抜の選手だったのです。

その幼稚園では、年少さんと年長さん入り乱れた縦割りの混合チームで、
二つの組のクラスが一緒になって選抜し、競い合っていました。

最初に年長さんたちがスタートして、徐々に年少さんたちにバトンを渡し、

最後には、これは当日のみですが、父兄に渡して、ゴールを競い合うのです。

最後は父兄に渡すので、当然結果は幼稚園児の手を離れますが、私たちは真剣でした。

私たちの走行部分では、一位を取りたかったからです。

私は第2走者。

第1走者は、確かかっちゃんと呼ばれている男の子で、あまり喋ったことのない子でした。
背は低めで、がっちりした無口な子でした。

練習を何回もさせられたのですが、
かっちゃんのスタートはとても早くて、
いつもぶっちぎりで、第2走者の私にバトンをくれました。

私はその距離を守りきるか、伸ばすのが、仕事。

そして、次にバトンを渡すのですが、
第3走者、第4走者が遅めだったので、
いつも順位が落ちて、2位か3位ぐらいになっていました。

いつも一番遅い第4走者の子がすまなさそうにしていて、
私達は「大丈夫、大丈夫」と励ましあっていました。

今でも覚えています。
全身で風を切って、腕を大きく振り、
必死に走ってくるかっちゃんのくるくるした目。

私にとっては、一位でバトンをもらうのは当然で、
かっちゃんが走ってくるまで、息を整えていればよかったのです。

かっちゃんは無敵で、頼り甲斐があって、
私は、そのかっちゃんからバトンを受け取ることを、
大げさではなく、誇りに思っていました。

そして、本番。

今日こそは、皆で力を合わせて、1位を。
どんなに悪くても2位を…

皆、そう思っていたはずです。

周囲にテントを張られて、声援が飛んでいます。
「道化師のギャロップ」と言う急かすような音楽が流れています。

練習では決してなかったいろんな音が入り乱れる中、パンっと言うピストルの音が聴こえて、、、

私はいつものように足場を固めて、息を整えました。

そして、いつものように、数を数えて目を開けました。

かっちゃんが、私の目を見て一番で走ってくる。

そう思いました。

でも、信じられない光景がそこにありました。

全く見たこともない別チームの走者が一番で走ってきます。

次から次へと隣が走り去る中、、、

かっちゃんは?どこ?

と私が探すと、

彼は、服を泥だらけにして、後ろから二番で走って来るのがやっと見えました。

転んでしまったのです。

勝気な瞳を見開きながらも、顔を歪めて歯を食いしばって、必死の形相で、、、

かっちゃんが負けるなんて、、、

そう思いながら、私もバトンを受け取って、必死で走りました。

でも、やっぱり追いつくことは出来ず、
第3、第4走者の子達も必死で走ったのに、

今までで一番に必死に走ったのに、

私たちは大人たちに最終順位でバトンを繋ぎました。

大人たちは、必死と言うより、楽しそうに走り、時々転んだりしていました。

試合が終わって、私たちは無言でした。

誰も何も言いませんでした。
悔しかったのはもちろんでしたが、誰もこんなことが起きるなんて思っていなかったのです。

かっちゃんは、口をへの字に結んでいて、
私も頭からとったハチマキを手に取って、じっと見ていました。

4人集まって、無言。

その時、第4走者の、いつも一番遅くてすまなさそうにしていた子が小さな声で言いました。

よく頑張ったよね。

その言葉を聞いた時、かっちゃんの顔が初めてくしゃっと崩れ、
私もなんだか急に悔しさが悲しさに変わり、

皆、1人ずつめそめそ泣き始めました(笑)

今でも、バトンを返しに行った時の、
泣き出す前の悔しそうな私たちの写真が残っています。

今思うと、第4走者の子が、あそこでああ言ってくれて本当によかったと思います。

そして、第4走者の子ではないと
言えない台詞だったかもなぁと思います。

戦いが終わったこと。
しかたなかったこと。

それをいつまでも信じられないでいる私達に、
認めさせてくれました。

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先日福岡に帰省した時、
実はその幼稚園を訪ねてみました。

運動場は、あまりにも小さな円を描いていて、
小さな子にはちょうど良くても、大人には急なカーブでした。

あの時大人たちのすっ転びようを、ふがいないと思って見ていましたが、無理もないなと思えました。

あの時、私達はたしかに「負け」ました。

でも、こんな風に40年以上経った今も
鮮明に私が思い出していると言うことが、ギフトだと思います。

大人になったかっちゃんも、きっとどこかで思い出しているだろうし、

第3走者の子も、第4走者の子も、
一緒に泣いて、声にならない気持ちを伝えあったことを、

きっと覚えているのではないかと思います。

私たちが「負け」と判断する人生の出来事には、
案外とても分かりやすい形の愛が
散りばめられているのかもしれません。

大人になって振り返ると、その都度気付く
新しい形の愛さえあります。

その時の写真は、悔しそうな私たちの後ろ側で、
大笑いしている大人たちや嬉しそうな子供達の顔が写っています。
喜びのシェアをする愛の形がそこにあります。

あの小さな運動場の円のなかで起こった出来事が与えてくれた
私たちへの一生続く愛の体験に、私は写真を見るたびに、不思議な気持ちになります。

広い宇宙の中で私たちが体験していることも、
「負け」でも「勝ち」でも
そんな感じなのかもしれません。

愛の体験は、どこに居ようが、
きっとハートで起こるものなのです。

いまも「道化師のギャロップ」を聴くと、
なんだか切ないような、温かいような、、
泣きたいような、微笑みが溢れるような、、

ハートが震える不思議な気持ちになります。


スピリチュアルライフコーチ
桜水現実





★★★


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