私の最寄駅は、路線の端っこではないんだけど、地下鉄の始発が来る駅で、

始発に乗る人は、ちょっと脇の色の違う線のところに参列に並んでいる。


始発ではない電車に乗る人達が並ぶ線が、黄色だとすると、

黄色い線があるところは、扉が開く真正面。

始発に乗る人は、ちょっとその脇の白い線のところでならぶわけ。


だいたい、始発の電車って言うのは、

始発でない電車が2台来た後に、1台、って感じの間隔なので、

その始発ではない電車の2台目が走り去ったところで、

アナウンスが流れる。


「始発電車お待ちのお客様、お待たせしました~。

黄色い線のところまでお進みください」


そうすると、始発待ちの私たちが、それこそ本当に一斉に


ザザッ


と、横にずれるわけ。

黄色い線の電車の扉が開く場所に、同じように横にずれて並ぶのね。


で、ちょっと説明が長くなったけど、事件は、月曜日に起こりました。


月曜日。

そうだよ。人がみーんなブルーな気持ちで居る月曜日。

なんで、月曜なんだよっ!って感じのイライラが最高潮の日。

しかも朝。

皆、眠いわけよ。

日曜日、遊ばなきゃよかったのに、遊んでいるから。


その男性は、きっとあまりその駅慣れてなかったみたい。

きっと彼女の家に泊まった帰りだったのかも。

電車が来ても、全然乗らずに、ずっと、白い線のところに並んでいて、

あれれ?もしかして、始発狙い?大丈夫かなー?と思っていたら、


案の定、


「黄色い線でお並びの始発お待ちのお客様~。白い線のところまで移動してください」


ザザッっとずれる。


すると、わかるよね?

始発をきちんと並んで待ってた人達が居るのに、一番前に立つことになる。

しかも、最前列の人はもうすでに3列で並んでるわけだから、

最前列の、そのまた前の列に一人。

最最前列よ。


大丈夫かな~と思っていたら、案の定、最前列のおじさんが怒った。

(あ、私も最前列でした)


「ちょっとぉ!並んでたんですか?」

その男性は、え?とぽかんとした顔をして、おじさんを見ながら、「はい」。

あらら、言っちゃったよ~。大丈夫かな~って見てたら、


「並んでないでしょ?あなた、割り込みですよ。後ろに並びなおしてください!」

もう最前列に居たおじさんは、本気です。

だって、最前列を取られてしまったのだから・・・。

後ろに並びなおしたら、この人、絶対に座れないな・・・と思っていたら、


「え?でも・・・」


勘の悪い人なのか、なんなのか、口をとがらせて真っ赤になって反論し始めた。

食い下がる。


「僕は、さっきからここにいました」

うん、知ってる。結構前から立ってたよね。違う場所だったけど。


「ほら、これを見てみてよ。(おじさんは始発電車に乗るための法則の書いた紙を指す)」

「え?だって・・・」


と、言いつつ、目を泳がせて、急に一点で視線を止めた。


え?え?

なぜか、私の顔を、じ~っっと・・・助けを求めてる。


ちょっと逸らしてから、またちらっと見た。

げっ!まだ見てる。


しかも、怒ってるおじさんまで、じ~っと私を見始める。


私ですかっ!結論を出すのは?

ここでなんと言えばいいのだろう。

華麗なる大岡裁きなんて出来ない。


なぜ、喧嘩をやめて、二人とも私の顔を見るのか、わからない。

どう結論出せと言うのか・・・。


でも、そこはいろいろ経験してきたアラフォー。

深呼吸して・・・・考えて、私は表情を変えずに言いました。


「では、次回から、気を付けることにしましょう」


その男性が、「はい」と小さく答えて、コクンとうなずき、

「すみませんでした」と小さくまた言ったので、

私も静かに、目をつぶって、うなずいた。


その様子を見たおじさんも何故か、うなずいて、

「ほんとに、気を付けてくださいよ」と言った。しかもちょっと自信なさげに。


それで、そこからがルールを破れないおじさんらしいんだけど、

居心地悪そうに、その男性の後ろにぴったりくっついて立った。


かくして、最最前列は一人。

最前列は、三人。


そこで、はい、タイミングよく、電車到着~>


人は不思議だ。


相手は自分を映す鏡と言うのは、当たってるかもしれない。


穏やかにものを言うと、穏やかに返ってくる。

たまたま私が寝起きで、頭がぼーっとしていたので、

頭ごなしと言うよりも、頭をなでるような言い方になった。

夢の中の出来事のような感覚だったのが功を奏した。


でも・・・


な~んか不思議な体験であり、

しかも、あとから少し怖くなった私のブルーマンデー事件。


おじさんも男性もいい人でよかった・・・。