先々週の日曜日は、父の日だった。


 私の父は、もう5年前に逝ってしまったが、父の日を機に、1年ほど前に見た夢を思い出した。

 以下の文章は、その時書いたものだ。 


 『先日、非常に面白いことがあった。

 夢で、父が私の部屋で酔っ払っていた。
 夢の中の部屋は、今私が住んでいる「お城」ではなく、

 (私は常々、自分の住んでいる狭い部屋をお城呼ばわりしている)
 もっと、広々としていて、ワインパーティをしている。
 本当のお城みたいだった。

 とにかく、何故か周りは知らない人だらけで、
 その中にタバコを吸っている人達もいて、
 私は、自分の部屋でのタバコは一応、友人にでさえ禁じているので、
 とにかく、「ベランダに出て吸って下さい」と言っている。


 それよりも知らない人達が、自分の部屋で、
 我が物顔でのさばっているのが、非常に非常に、ひっじょ~に
 「不快」で、とにかく「帰って下さい」と終いには叫んでいた。

 父は、そういう人達の中で、楽しそうに酔っ払っている。


 生前、彼はお酒が弱く、最後のほうはほとんど飲まなかった。
 なのに、すっごくだらしなく酔っ払っていて、
 「もういい加減にしといたら?」と言うのに、
 「まだ飲む、まだまだ、まだまだ飲む。五次会までやる」
 と言い張る。
 めっちゃくちゃに腹が立って、「やるなら自分の家でやってくれ!」と怒りちらかした。

 ぷんぷん怒ってました、ハイ。私。
 
 そこで、目が覚めた・・・・。

 その日の夜、母と電話でその話しをしたら、
 なんと、母が大笑いした。


 実は、前日の夜(夢を見た日の夜)、母が珍しくワインが飲みたくなり、
 一人で栓を抜いて、自分と父分をグラスに注ぎ、仏壇の前に供えて、
 
 「お父さん、かんぱ~いっ!」チーンっ!

 で、呑んだらしい・・・。で、母は少量で酔っ払ったが、
 そのまま、グラスワインを供えっぱなしにして、朝まで放置した・・・らしいのだ。

 「それでお父さん、酔っ払ったのね~。向こうで出来た友達と分け合って、呑んでたのかしらね」

 母は、カラカラと軽快に笑いながら言った。
 (母親は小さい頃から非常に霊感が強い人なので、そういうことを、サラリと言うのである)

 私も聞いたことがある。こちらでのお供え物は、ほんの少しでも、あちらでは、大量になるらしい。

 母は一体どんなになみなみとついだのだろうか。

 母は、笑っていたけど、それなら、私も父を怒らずに飲ませてあげればよかったな、と

 ちょっと反省してしまった。

 夢のパーティの出演者にもちろん母は居なかったけれど、

 でも、久し振りに羽目を外せて、きっと嬉しかったのかもしれない。
 タバコを吸っていた人達も、もしかしたら、お供えにタバコがあがっている人達だったのかもな・・・。
 

 怒らずに、場所をかしてあげればよかったな、と、ちょっと後悔・・・。

 そう言うと、母が「本当ね。でも、お父さんはすぐ調子にのるから、そのへんで怒ってよかったわよ」と、

 これまた大真面目に言った。

 偶然なのか、それともどこかで、私の眠っている間の波長が彼らと交差したのか・・・。謎・・・。

 しかし、お母さん、頼むから、これからは、朝までワインを供えっぱなしにせずに、頃合をみて、

 お開きにしてやって欲しい・・・。
 

 あれじゃ、父は二日酔いだ。 』


 そんなこんなで、今年の父の日。

 また、不思議なことがあった。

 

 その日ある女性に出会って、なんとなく話しが盛り上り、一緒に焼酎立飲みへ。

 後日、連絡先を交換したメールのアドレスで判明した。


 なんとその女性、父と同じ干支で、父と同じお誕生日。

 しかも、出会った日は父の日である。


 あー、と私は思った。

 あー、やっぱり、父は亡くなっても、私の父親なのだ。

 私のことをずっと見ててくれる。

 時々、こんな風に示してくれる。


 生前よく言ってたように、照れ笑いしながら、

 「僕は、ここにいるよ」 と。

 「君一人ぐらい、いつでも僕が面倒を見てあげるよ」 と。


 今度、夢で逢えたら、

 思う存分、ワインを飲ませてあげたい。

 お友達のタバコも許してあげたい。

 そして、私も一緒に酔っ払って、げらげら笑いながら、

 最近の私の失敗話を話したい。


 夢で逢いましょう。


 

 桜