『作者の図像学』 ジャン=リュック・ナンシー、フェデリコ・フェラーラ
作者の図像学 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房¥1,050Amazon.co.jpデリダ以降のフランスの哲学者が書いた本ってなんというか全く読めない。訳者あとがきでもちらっと触れられてあったけれども、彼らは文学作品を作っているのか、それとも哲学書を書いているのか判然としない。いわばその狭間でなんかやっているんだと思う。なにか表現した思想があって、その伝達の道具として本を書いているのではなく、あたかも一人の芸術家としてよく分からないものを書いているみたいだ。ボルヘスとかだと「ああ面白い作家だな」で納得できるけれども、こちらはそうではなく、それでもやっぱり哲学者みたいだし。文学作品と、その作者との関係に焦点を当てた作品なのだけれども、文学の研究書みたいな書き方でもなく該博な知識を有している読者にむけてつらつらと呟くような文章。こういうのって、翻訳で一気に読んでも分からない典型だろうな、でもあまりにも固有名詞が多いから原書で読むのも注がないと大変だろうし。短いのにさっぱりな本の代表。