『ユダヤ人問題に寄せて/ヘーゲル法哲学批判序説』 マルクス
ユダヤ人問題に寄せて/ヘーゲル法哲学批判序説 (光文社古典新訳文庫)/光文社¥1,512Amazon.co.jpイーグルトンのいう「・・・・は文学として残った一方で、マルクスは文学とは見なされない」っていうことがよく実感される本。マルクスの内容をまともに読む時代が終わってしまえば、マルクスを読むのは苦痛でしかない。読書という行為は多かれ少なかれなんらかの快楽を伴うものだろうが、マルクスの文章は無味乾燥でいて、なんの文学的魅力もない。まあでもあれだな、ヘルメットかぶって勉強もせんと、読めもしない本を読んだ気になったやつらにとっては文学的価値なんて分かるわけもないんだし、「ユダヤ人=守銭奴」とか「宗教=民衆のアヘン」だととかいう、飲み会の与太話として使える一言フレーズはあるから、読んだつもりになってたんだろう。正直、もうちょっと期待していたのだが、あまりにも陳腐で、知性を欠いている。もちろん、これはマルクスがマルクスになる以前の、博士論文執筆準備期に、アカデミックな世界に入るために文章を書いている時期のものだからリーダビリティが低いってのはあるんだが。視野の狭さも否めないし、強烈なフレーズをぶっこむわりには、それがレトリックの一貫であることがいまいち明確にあらわれないから、勝手な解釈を許す文章に思える。これが力を持っていた時代があるとはなあ(というか、もしかして、マルクスを読んだ時代なんてなかったんじゃないかという疑惑にすら陥る。ちょっと前がフーコーを読んだ(振りをした)時代であったように。)