麺処ほん田@秋葉原(2020年4月15日移転オープン) | 大崎裕史オフィシャルブログpowered by Ameba

麺処ほん田@秋葉原(2020年4月15日移転オープン)

つけ麺の創業者「東池袋大勝軒」の故・山岸一雄さんの弟子である田代浩二さん(田代グループ代表)はラーメン界に三人の天才を送り込んでいる。「中華蕎麦とみ田」の富田治さん、「麺屋一燈」の坂本幸彦さん、そして「麺処ほん田」の本田裕樹さんである。三人とも、田代さんの元で修業し、独立してカリスマ的人気店を創り出した。前者二人のことを紹介すると長くなるので今回は三番目の本田さんに焦点を当てる。

弱冠21歳で2008年2月、東十条にオープン。すぐに行列のできる人気店となり、2011年にはラーメン好きの聖地「東京ラーメンストリート」にも出店。大宮や川崎にも進出し、20代にして人気と実力を誇っていた。しかし、自ら厨房に立つことを選択し、多店舗展開を見直すことにした。その間、多くの若いスタッフが本田さんに憧れ、たくさん入ってきては独立していった。そういうところも含めて、ここ12年の彼の存在と活躍はラーメン業界にとってものすごく大きい。「20代で行列ができるラーメン店を持つ」というラーメンドリームを実現し、そんな夢と希望を若い人に提供したのだ。

そしていよいよ自らの第二フェーズとも言うべき秋葉原移転である。2020年4月15日に12年間営業を続けた東十条から秋葉原駅前(高架下)に移転し、味やメニューを一新。次なる展開を開始。まずは今までやりたくてもできなかった自家製麺への挑戦。店舗にそのスペースを取り、自ら製麺している。そしてラーメン業界、長年の課題であった「千円の壁」をぶち破った。基本メニューが1100円。ここのところ、千円超えのお店も珍しくなくなってきたので本田さんに取っては当然のことであろう。既存の味を全部捨て去り、新しい構成で創り上げた新味で勝負だ。醤油、塩、つけ麺、汁なし担々麺とそれぞれのトッピングバリエーション。

今回、初訪だが頼んだのは特製醤油1500円。「ほん田」はチャーシューの旨さに定評があり、基本の味も大事だが、いろんな味を確認したくなる。一番感動したのはチャーシューの素晴らしさ。今回は鶏、豚肩ロース、豚ロースの3種類だがどれもしっとりしていて持ち帰りたかったほど。初めてチャレンジしたという自家製麺も十分こなれており、製麺所に頼んだものと遜色ないおいしさ。大きな寸胴で作られたスープは動物系、魚介系、様々なものをじっくり煮込んでおり、「王道の中華そば」でありながら、凄味を感じる一杯。厨房では自ら先頭に立ち、ラーメンを作っている。必ずや新たな伝説を創り上げてくれるであろう。