理佐side
朝、黒板に今日の日付と日直を書いていると突然扉が開いて、小林さんが入ってきた
理 「あ、小林さん!もう体調は大丈夫なの?」
由 「まぁ」
理 「そう、なら良かった」
短い返事だったけど返事してくれたことだけで嬉しかった
小林さんは鞄だけ置いて教室を出た
理 「待って!!ちゃんと授業受けないと補習するよ!」
由 「うっさいな」
理 「ごめんなんて?」
由 「うっさいよ!!ほっといて!!」
理 「っ!!」
ここまで大声を出している姿は初めて見た
その時の小林さんの目は何も写っていなかった
由依side
ごめんね先生八つ当たりして
でも私にはこの感情をどうすることもできない
毎日毎日、お母さんは男を連れてきて私のことなんて邪魔者扱い、まだ私が小学生の時は普通の家庭だった、なんなら幸せすぎたんだ
中学生の時突然父が亡くなった
その日からお母さんがおかしくなったんだ
私はずっと我慢してきた
もう精神が持たなくなるよ
気がつけば屋上で寝ていた
頬を触ると涙の跡があった
理佐side
放課後になっても小林さんは戻ってくることはなかった
でも鞄はまだある
ちょっと見に行ってみよう
屋上の扉を開けると、小林さんが頬に手を当てていた
私は静かにその場を去った
続く
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