お前の鞄をよこしてくれないか。

その中にある無限の宇宙を私によこしてくれないか。


ひとつの文字が人を慰め

ひとつの言葉が人を誘い

ひとつの文章が人を導き

ひとつの物語が人を救う


そして

ひとはひとつの本を愛するのだ



――芳崎せいむ『鞄図書館』を読んで


僕を見て、

言葉を聞いて、

理由を聞いて、


声はいつしか叫びとなって、

あなたの周りを飛び交って、


私は私でなくて、

私は私でなくなって、


手帳をひらいて

予定を書き込む


4時48分

私が正常でいられるこの瞬間に


――F/T 「4.48サイコシス」を観て


思いは打ち上がり、

またしぼむ。


時はさかのぼり、

またよみがえる。


ハンカチーフに縫い付けられて、

逃れられない名前を背負い、


またあの人に巡り合う。


―コンコンコンコン


扉を開ける音が聞こえる。



―――恩田陸『ライオンハート』を読んで