ファイヤー・ボール・キッド!五味隆典!!Part4 | おおおかのボクシングBLOG

おおおかのボクシングBLOG

ボクシング・格闘技観戦後の感想がメインです。


にほんブログ村

このブログを読んでる方、いらっしゃったら、「大岡暁」という名前で、フェイスブックもしてますので良かったら!友達申請を遠慮無くしてくださいねー。

あの辰吉がシリモンコンに不死鳥のごとく蘇り、勝利したあの日と同じ結果だった。
photo:01


でも、最高のフィナーレと言っていいのか分からない、残酷なまでの勝者と敗者のコントラスト。
photo:02



大爆発した会場のリング上で静かに四方に手を合わせ頭を下げる中蔵隆志。
中尾受太郎から渡された修斗のチャンピオンベルトを前日計量時の会見で語った通りに本部席に返上する。
そして何度も坂本さんに土下座をしていた。
近くには木口会長も、いらっしゃる。

中蔵隆志という選手は、そういう男だった。
photo:03


そんな好敵手だったからこそ、この会場の大爆発が出たのだと思う。

それにしても冷静に見ると、五味隆典のボクシングは恐ろしい。
強烈なパンチの伸び!
そして破壊力、キレ!
それが左右ともにある!
おまけにパンチの出どころが分かりにくい!
当て勘の良さ!
詰めの厳しさ!
あとは、勝負勘!
やはり、彼は野性味の感性の選手だと痛感した。


試合後の五味君はマイクで、こう語った。
photo:04


「帰ってきたぜー!修斗にも帰ってこれたし、これが俺のスタイル、これがラスカルスタイルです。
超満員で気持ちいいです。
中蔵選手だからこういう試合になりました。
中蔵選手、ベルトなんか置かないで、今度はベルトを賭けてやりましょう。
お互いもっと強くなってやろう。
10年間育てていただいたのは修斗です。
ジムの子も強くなっていってます。将来ここを沸かせてくれると思います。
だから修斗を応援続けてください。今日はありがとうございました」

中蔵を救う素晴らしいマイク!
最高のコメントだ!!

修斗を愛するものとしての言葉。
五味君は、本当に修斗が好きで、会場にも観戦にちょくちょく現れていた。自らのジムの選手も修斗でデビューしている。

まぁ本当に、格闘技を見ていてよかった。
心からそう思えた瞬間だった。

あと、試合後の五味君はこうも語っていた。
「戦極でやってきた外国人に比べると癖が無いから、真っ向勝負ができた。
中蔵選手にない僕の経験が活きた。今回は僕がチャレンジャーで、彼が受けるような形だった。
彼はチャンピオンだから逃げられなかった。
中蔵選手には、心から感謝しています」


この後の中蔵隆志は、左目網膜剥離のため王座を返上。
が、しかし復帰はした。2年後だったが弘中選手という厳しい相手にイマイチ動きの無い試合で判定敗けを喫し、引退した。

中蔵隆志選手は、その後「最後だから言える。五味君とやれた事はオレの誇りだ。ありがとう。」とTwitterで投稿していた。

photo:05



…長々とこの試合について書いてきましたが、なぜこの試合を書こうと思ったかと言うと、日本ボクシングは今、隆盛を迎えようとしている…かもしれない。

だが!!
はっきり言って、こんなに気持ちをのせて書きたくなる試合なんて、
全く無い!!
それを伝えたくて、この「五味隆典×中蔵隆志」という試合について書きました。

もちろん、
村田選手、
井上選手、
井岡選手、
内山選手、
山中選手、
高山選手、
三浦選手、
八重樫選手など、
素晴らしい選手が揃ってきている。

それなりの楽しみ方を持って観戦させてもらってる。

でも、今年見た日本人ボクシングの世界戦で面白かったのは、
アウェーでの荒川選手の試合と、
アウェーでの三浦選手の試合ぐらいじゃなかったか…。

どの試合も選手は命を削る試合をしているし、いつだってリスキーな戦いだと思う。

でも、なんなんだろう。
この違いは…

亀田プロモーションのボクシングに対する冒涜。
photo:06


テレビ・ボクシングにおける過剰な実況アナウンスが鬱陶しいのもある。

いや、そんな問題じゃない。
もっと大事な何かが足りない。。

ファンで見ている人でも、
格闘技を普段見ていない人がたまたま見た人でも感じるだろう。

これが、世界一なのか?って。


分かってしまうんだ、
タイソンを見たらバケモノだと誰もが理解できるように、
五味君は、バケモノを体現していた。

そして、それを体現するための試合がそこにあった。
それは、、、

「強さとは何か…を追求した試合」

これが、日本人ボクシングを見ていて気持ちがのらない答えかもしれない。