ケアラー月間の創設について | 大野もとひろオフィシャルブログ Powered by Ameba

ケアラー月間の創設について

 

ケアラーとは、高齢、身体上・精神上の障害、疾病等により援助を必要とする親族等に対して、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助を提供する人のことで、このうち18歳未満がヤングケアラーです。

埼玉県では、ケアラー、ヤングケアラーに関する認知度を測るため、令和2年10月に県政サポーターに対するアンケート調査を実施したところ、認知度は17パーセント程度に留まることが分かりました。

ケアラーを支援するためには、埼玉県や市町村などの行政機関はもとより、ケアラーの近くにいる人が悩みを抱えるケアラーに寄り添うことが重要です。しかしながら、ケアラー自体が知られていないことで必要な支援が届かない可能性があり、認知度の向上が不可欠であると考えています。

このため、全国初となる「ケアラー月間」を11月に創設し、ケアラーのことを知ってもらい、支援に対する理解と協力の輪を広げ、ケアラーが孤立することのない社会とするため、集中的に広報・啓発を行うこととしました。

「ケアラー月間」は、埼玉県、埼玉県教育委員会、埼玉県社会福祉協議会が主体となり、市町村、市町村教育委員会、市町村社会福祉協議会のほか、福祉、医療、法律、経済、労働、教育の各関係団体や報道機関等に御協力をいただくこととしています。

 

ケアラー月間中の主な取り組みですが、まずは「ケアラー支援オンラインフォーラム」です。

ケアラーを理解し、社会全体で支えていくために、何ができるかを考えるパネルディスカッションを行うほか、埼玉県としてケアラー支援宣言を行い、皆で支え合うことの大切さを訴えたいと考えています。

私もメッセージを寄せる予定で、11月23日の13時からYouTubeによるライブ配信をさせていただきます。

次に、「NHKハートフォーラム」です。NHKさいたま放送局、埼玉県、埼玉県教育委員会、NHK厚生文化事業団の主催により、ヤングケアラーに関するフォーラムを11月26日の14時から、彩の国さいたま芸術劇場大ホールで開催します。オンラインによる参加もできます。

これら2つのフォーラムの申込みについては埼玉県ホームページから、また、「NHKハートフォーラム」についてはNHKホームページからも申し込みできますので、ぜひ御参加ください。

続いて、多様な主体による「ケアラー支援宣言」です。

埼玉県、市町村だけでなく、団体や企業などの多様な主体がケアラー支援のためにできることを「ケアラー支援宣言」として表明していただきます。

具体的には、「私たちは、○○○○で、ケアラー・ヤングケアラーを支援します」というように、『○○○○』のところを考えていただくものです。

例えば、空きスペースを定期的に提供していただける場合は、「『集まれる場所』の提供で支援します」、また、従業員への啓発に取り組んでいただく場合は、「『啓発活動で従業員の意識を向上すること』で支援します」というように宣言していただきます。

現時点では、埼玉県医師会、埼玉弁護士会、埼玉県経営者協会、埼玉県高等学校長協会などの団体のほか、イトーヨーカ堂、コープみらいなど約40の団体、企業に宣言していただいています。

いただいた宣言は、ケアラー支援オンラインフォーラムや埼玉県ホームページで公表します。

埼玉県では、宣言いただける団体、企業を募集していますので、御協力をお願いします。



次に「ヤングケアラーハンドブック」です。

ヤングケアラーは、家庭内の問題として表に出しにくいデリケートな問題を抱えていることに加え、本人や家族に自覚がないため、支援が必要であっても適切に手が差し伸べられない状況にあります。

そのため、電話、SNS相談など、本人が悩みを抱えて話をしたい時の相談先等も明記したヤングケアラーを紹介するハンドブックを作成しています。

このハンドブックは、本人はもとより周りの生徒や教職員にもヤングケアラーのことを知ってもらうため、11月から順次、学校を通じて小学校4年生から高校3年生の児童生徒及び教職員全員に配布します。

続いて「ヤングケアラーオンラインサロン」です。

ヤングケアラーの中には、「学校や周りの友達には家のことを話しづらい」と思っている人もいます。

そこで、同じような立場や経験をもつ人たち同士が気軽に集い悩みや不安を打ち明けられる場として、オンライン上のサロンを月1回のペースで開設します。

第1回を今月31日に、第2回を11月21日に開催する予定で、家族のケアをしている高校生の参加を募集しています。

なお、サロン自体は非公開で行います。

このほか、ケアラー支援に関わる関係機関の職員に対する研修なども、ケアラー月間期間中に実施していきます。

ケアラー月間中のこれらの取り組みを通じて、ケアラー、ヤングケアラーに対する理解と協力の輪を一層広げ、「誰一人取り残さない社会」の実現を目指していきます。